舞台でキャリア重ねた宮澤エマ、映像作品との違い語る「カメラは嘘を見抜くのが上手い」

2024年4月30日(火)8時0分 マイナビニュース

石原さとみ演じる検事・西村奏が、大学時代の事件や父の死の真相などに迫っていくサスペンスラブストーリー『Destiny』(テレビ朝日系 毎週火曜21:00〜)。共演には亀梨和也安藤政信宮澤エマ矢本悠馬、田中みな実といった同世代の豪華キャストが集結し、抗いがたい運命に強い意志を持って突き進むヒロインの姿を鮮やかに描いている。
石原演じる奏の親友・森知美を演じる宮澤に、作品のテーマの1つである“選択”や、キャリアを積んできたミュージカル作品と現在活躍中の映像作品の違い、そしてオフタイムについて話を聞いた。
○1つの決断、出会いが次々とつながっている
——宮澤さんは、出演にあたってのコメントの中で“選択”もテーマだというお話をされていましたが、宮澤さんご自身の人生の中で、大きな選択だったものはどんなことでしたか。
先日の記者会見の中で仲村トオルさんが「すべての出会いが必然と感じられる、ある意味で運命だった」とおっしゃっていたんですが、自分自身のキャリアに関してもそう思うことだらけ。芸能という少し特殊なお仕事ということもあって、自分で選び取れるものばかりではありませんでしたから、そのとき、そのときにいろんなお仕事が巡ってきて、やるかやらないかを迷ったりもして。迷いながら選んだ仕事だったとしても、それがまた違う仕事につながることもあるんです。私は小さい頃から、歌いたい、お芝居がしたいという思いがありました。でも、海外の大学に進学して就職もしないで帰ってきたので、親は恐ろしかっただろうと思います。小さなご縁で、最初にバラエティ番組に出させていただいたんですが、たまたまそれを宮本亞門さんが見てくださっていて、お声掛けいただいたオーディションから舞台のお仕事へとつながっていきました。そしたら、亞門さんの舞台を見ていた音楽家の荻野清子さんが三谷幸喜さんを紹介してくださって、三谷さんの舞台にも出させていただくことになったんです。そうやって、1つの決断、1つの出会いが次々とつながったので、私がした選択は“身を任せる”ことだったんだと思います。
○"身を任せる”選択が結果につながった
——小さい頃からしていたボイトレなどの努力があってのことだとは思いますが、努力をしてきたからこそ“身を任せる”ことにも勇気が必要な気がします。
本当は、最初からお芝居をしたいとか、歌だけをやりたいとか、そういう気持ちがありました。でも結果的に、大きな渦の中に自分の身を投じることにしたんです。何がベストか分からないんだから、プロフェッショナルな人たちの作る波に、逆にのまれてしまおうと。それが結果につながりました。今でも毎回、いただいたお仕事をやるべきかやらざるべきか迷います。でも“私に”と思ってくれているのであれば頑張ろう、とお返事をすることが多いんです。ある種、決断することを放棄していることが、私の決断かもしれません。でも、憧れはあります。アメリカの俳優さんには多いんですけど、自分にはこういう信念があるからこの仕事は受けない、とか。どうしてもこの仕事をやりたいから、何度も何度もディレクターに手紙を送って実現しました、とか。自分から自発的に動いて、勝ち取ったという自負を持って生きていらっしゃる俳優さんもたくさんいらっしゃると思います。もちろん、私にもそういう部分がないわけではありませんが、どちらかと言えば、求められているんだったらやってみよう、と委ねてきたほうが大きいんです。もしそれを変えていたらほかの人生があったかもしれませんが、結局は生きている今がすべてですよね。
○仕事終わりの1杯が、自分の時間のはじまり
——宮澤さんはミュージカルを中心にキャリアを重ね、ここ最近ではドラマにもたくさん出演されるようになりました。ミュージカルの面白さ、ドラマの面白さをそれぞれどのように感じていますか?
コアになる部分は同じだと思っています。同じお芝居なので、演じている瞬間は、違うことをやっているという感覚はありません。でも準備のプロセスは全く違います。舞台は2カ月、3カ月と稽古をして臨みますが、舞台に立つ人って皆さん常日頃からレッスンを受けて、歌ったり踊ったりして、いつでも役ができるような体の準備をしているんです。そこから稽古の日々の中で何度も何度もトライして、役の完成に近づけようとしていくんですね。本番の幕が開いてからも、そのトライを続けていきます。そうやって繰り返していく中で新しい発見をしていくのが舞台です。
一方で映像作品で私が関わってきたものは、準備期間が舞台ほど長いものはなくて、皆さんがよく言うような瞬発力が必要だと感じました。それは、自分自身の人間性の中から何かを引っ張り出してこなきゃいけないので、よりパーソナルな部分をさらけ出さないといけないんです。カメラって嘘を見抜くのが上手いんですよ。舞台は照明やカツラなど、いろいろな要素があって、お客さんも含めて虚構の時間を過ごそうという運命共同体だから、嘘が作りやすいのですが、カメラの場合は、お芝居が生まれるときにお客さんが参加していないので、放送で完璧に真実に見えるように演じなければならないんです。発する言葉は自分の言葉になっていないといけない。そこはすごく大事にしているところです。
——とても分かりやすいです、ありがとうございます。お忙しい日々を過ごされていると思うのですが、そんな中でも大切にしている自分らしい時間は、どんな時間ですか?
仕事終わりの1杯! ワインが一番好きですけど、赤も白も、その他のお酒も何でも飲みます(笑)。最近はナチュラルワインという自然派のワインがお気に入りです。添加物などが入っていないので、二日酔いになりにくいそうで。お酒が入るとセリフを覚えられなくなるので、お酒を飲む=今日はおしまい、のサイン。私にとっては誰にも邪魔されない時間で、お酒を飲みながらプロジェクターでK-POPアイドルのMVを見たり、ドラマやアニメを見たりすることが、一番自分らしい時間です。
——どちらかと言えばインドア派ですか?
インドア派ではあるんですけど、体を動かすこと自体は嫌いじゃないんです。落ち込んでるときは、走ったりして体を動かすとスッキリするので、1日のうち20分くらいはアクティブになる時間を作るようにしています。そして、夜はお酒を飲んで自由に過ごす。自分の機嫌は、自分で取らないとですよね!
——最後に、ドラマを楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします!
ドラマチックなシーンがたくさんある物語ですが、やっぱり真髄はラブストーリー。愛に生きるということに対して、どんな選択をしていくのか。何が正しくて、何が正しくなかったのか。そして、それを裁けるのか。壮大なテーマですが、嘘のない真実を、さとみちゃんと亀梨くんが体現してくれています。2人の絆を応援すべきかどうかも含めて、きっといろんな思いが皆さんの中に生まれると思います。きっと誰かとシェアしたくなるようなドラマだと思うので、友達同士ででも、SNSででも、感じたことを話したり、ツッコんだり、キャーって言ったり、キュンキュンしたりしながら楽しんでほしいです。さとみちゃんとも「ここどう思った?」「どっち派?」とかたくさん話したので、ぜひ皆さんにもそうやって楽しんで見ていただけるとうれしいです。
■宮澤エマ
11月23日年まれ、東京都出身。ミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング 〜それでも僕らは前へ進む〜』(13)で初舞台を踏み、『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』『ウエスト・サイド・ストーリー』『日本の歴史』など多くの舞台に出演。2023年には『ラビットホール』で初主演を務めた。ドラマは、連続テレビ小説『おちょやん』(20〜21)で注目される。以降『大河ドラマ 鎌倉殿の13人』(22)、『よだれもん家族』(22)、『罠の戦争』、『らんまん』、『ゆりあ先生の赤い糸』、『フェルマーの料理』、(23)などに出演。2024年は舞台『オデッサ』に出演した。

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