中山秀征 志村けんさんに学んだ「バカ」のススメ 22日に著書「いばらない生き方...」発売

2024年5月11日(土)5時0分 スポーツニッポン

 タレントの中山秀征(56)が、著書「いばらない生き方—テレビタレントの仕事術—」(22日発売、新潮社)で“バカでいるススメ”を説いている。本紙の取材に「あまり虚勢を張らなかったことが、今につながっている」と語った。

 1982年に地元の群馬を飛び出し、歌や芝居での活躍を夢見た中山。だが栄養失調になるなど、スタートは決して順風満帆ではなかった。努力を重ね、日本テレビ「シューイチ」(日曜前7・30)などMCとして立ち位置を確立。その裏には芸能界の師匠と慕い、2020年に70歳で亡くなった志村けんさんら昭和の大スターの教えがあったという。

 「いつまでもバカでいろよ」。30歳の誕生日、志村さんと一緒に撮った写真に書き添えられた言葉だ。「偉くなったりしても、自分よりも凄い人はたくさんいる。利口ぶらずに、てんぐにならずに、いつまでも吸収する側にいろ」という意味が込められている。

 大変な勉強家で知られた志村さんだが、知識をひけらかすことはなかった。「バカでいる」は今の中山のMC術に生きている。「情報番組だとキャスターがある程度背景や筋道を説明して、専門家に聞く前に先回りしてカッコいいことを言いたくなってしまう。でもそうならない聞き方にするなど心がけています」。自分だけが雄弁に語るのではなく、相手を生かす聞き方をするのが中山流だ。

 往年の勢いを失ったテレビ業界。テレビタレントを自負する身として「テレビは原点に返っていくべき」と提言する。原点とは、生放送と稽古を重ね作り込んだ芸の融合だ。

 それはまさに「8時だョ!全員集合」「志村けんのバカ殿様」など、志村さんの代表作の根底にあるものだ。コントの収録前にはカメラのアングルや小道具など、細部にまでこだわった志村さん。師匠のそんな姿を見てきた中山は、現在のテレビを「瞬発的なものはうまいと思いますが、今は誰も“作っていない”」と感じている。

 生放送のスピード感と、志村さんのように徹底した世界観の作り込みがそろってこそテレビが復活すると信じている。「作り込まれた番組のクオリティーが出せれば、まだまだテレビも捨てた物じゃないと思うし、これはテレビにしかできないこと」と力を込めた。

 これまで出合った番組、大物芸能人、ピンチから得た教訓やヒントを込めた本書。「読んだ人が明るく楽しい気持ちになってくれれば」という思いが詰まっている。秀ちゃんの謙虚さから学ぶことは多い。(前田 拓磨)

 ≪地元群馬で初書道展「感謝」3万人来場≫中山は6日まで地元・群馬県藤岡市で自身初の書道展を開催した。小学生の時に始め、入選歴もある実力派。書道の個展を開くのは長年の夢でもあった。17日間で計3万2628人が来場する盛況ぶりで「感謝しかございません」と喜びを口にした。最終日には自ら生パフォーマンスで「感謝」という文字を書き上げた。「次回は東京でも開催したい。今後も継続して作品作りに励みます」と、第2回の開催に向けて早くも意気込んでいる。

スポーツニッポン

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