51歳で異例のデビュー果たした歌心りえ キャリア29年でガールズオーディションに挑戦した本音明かす

2025年5月18日(日)20時0分 スポーツニッポン

 【ききみみ音楽ハンター/歌心りえ・前編】歌手・歌心りえ(51)のデビューアルバムが4月2日、大手レコード会社「エイベックス」「ビクター」2社から同時発売された。異色の新人がこのほど、大阪市内でスポニチの取材に応じ、50歳にして再び花開いた音楽人生、自身の経験から得た同世代へのメッセージなどを語った。前・後編に分けて掲載する。(萩原 可奈)

 スリムな体形に透明感あふれる歌声…年齢を感じさせない若々しさを漂わせるが、10歳の娘を持つ母親だ。51歳でのデビューがかなったきっかけは「トロット・ガールズ・ジャパン」。韓国で大ブームの歌姫発掘オーディションの日本版が昨年開催され、自ら応募し準優勝を果たした。

 実は今年で歌手30周年を迎える。グループのメンバーとしてデビュ以降、ユニットやソロなどさまざまに形を変え、歌い続けてきた。そんなベテランが、なぜ今さらオーディションに挑んだのか。

「知人から“こういうオーディションあるから、りえだったらできるんじゃない?年齢制限もないし”と連絡があって。トロットは日本で言えば演歌・歌謡曲のことだと知って、歌謡曲だったら私大好きだし、いいなとは思ったんですけど…」

 二の足を踏んだのは、やはりそれがオーディションだったことだ。「若い子が受けて、自分の今後の可能性とかを引き出してもらうものじゃないですか。この年齢でどうなのかな」と数日悩んだという。だが、「30年近く歌ってると、自分の歌が評価されることってなくなってくる。今の私の歌唱を評価してもらって何かしら言葉をもらえるなら、今後の音楽活動の一つの糧(かて)になるかもしれない」と、挑戦を決意した。

 参加者の中には12歳の少女もいた。「最年長って当然私ですよね?ってスタッフに確認したら、“あ、そうですね”って」と苦笑い。経験値は誰よりも上だが、「今の若い子って動じないんですよ!結構みんな堂々としてて。すごいなって、逆に刺激になりました。私は元々緊張しぃなので“大先輩です”みたいな思いはなくて、彼女たちの中に入ってとにかく自分の今までの歌を披露できればいい…と思ってやってました」と振り返った。

 若者の中で、長年大切にしてきた“歌心”を存分に発揮して結果を残し、日本でも韓国でも好評を得た。YouTubeにアップされた「雪の華」のカバー動画は1000万回再生を突破する大反響。名曲カバーを中心とした2枚のアルバムが2社から発売されるという華々しいデビューを飾るに至った。

 「何か評価してもらえたらってところから始まった挑戦。やってよかったなって今つくづく思いますね」

 同世代から勇気や希望をもらったと言われることがうれしい。「昔やってた習い事や音楽を“結婚して辞めてたけどもう1回やってみようと思います”とか言われると、すごくいいな!って思う。私は50歳でオーディションを受けて今がある。行動しなければ得られなかったことです。少しでも(やりたい)気持ちがあれば、やってみたらいい。それでダメならダメでいいぐらいのノリでいい」と、同世代の背中を押した。

 「人生一度きり。歌を諦めないでよかったと思います。継続は力なり…それをこれからの活動で伝えていけたら」。自身の人生が、誰かの励みになることを願った。

 後編では、音楽人生での挫折、挑戦を支えた家族の存在、ソロライブツアーへの思いを明かす。

 ◆歌心りえ(うたごころ・りえ)1973年(昭48)6月30日、栃木県出身の51歳。24年、オーディション番組「トロット・ガールズ・ジャパン」で準優勝し、韓国の歌番組でも圧倒的な歌唱力で話題を集めた。25年4月2日、ビクターとエイベックス2社からアルバム(ビクター「SONGS」、エイベックス「HEARTS」)を異例の同時リリース。メジャーデビューを果たした。

スポーツニッポン

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