ヤシの木倒れ日本人重傷 カンヌ国際映画祭で事故 映画「見はらし世代」製作スタッフが鼻と体の一部を骨折
2025年5月19日(月)4時45分 スポーツニッポン
フランスで開催されている第78回カンヌ国際映画祭のメイン会場前の大通り、クロワゼット通りで17日午後、歩道沿いに生えていた高さ約3メートルのヤシの木が強風で倒れ、日本人男性が下敷きになり重傷を負ったと欧米メディアが伝えた。男性は映画祭の関連企画「監督週間」に出品された作品「見はらし世代」の30代の製作スタッフで、鼻と体の一部を骨折。病院に救急搬送され、専門医の治療を受けている。男性の名前は明らかにされていない。現地メディアは、「木がシロアリの影響で傷んでいた」と報じている。
「見はらし世代」は16日に公式上映され、現地入りした団塚唯我(ゆいが)監督、主演の黒崎煌代(こうだい)に約7分間の拍手が送られるなど高い評価を得ていた。17日は各国メディアの取材など宣伝活動が予定されていたが、キャンセルされた。
クロワゼット通りは、コンペティション参加作品や特別招待作品が上映される映画祭メインの大劇場前を東西に横切っている。スター俳優が歩いていることもあり、ひと目見ようとする観光客らで混雑している。目撃者によると「強い風が吹いて、何かが割れるような大きな音がして、悲鳴が聞こえた」という。別の目撃者は「人が集まっていたので、最初はパパラッチが写真を撮っているのかと思った。倒れていた男性の頭の周囲には血だまりができていた」と話した。男性の搬送後、警察は捜査と木の撤去のため、通りの一部を封鎖。捜査車両が行き交い、カンヌの街は一時、騒然となった。
ヤシは通り沿いに多く生えており、映画祭の最高賞も「黄金のヤシ」を意味する「パルムドール」。映画祭はヤシの葉がシンボルになっている。