血管が見つかりにくいので採血が憂鬱な私。担当の若い男性看護師に「新人は下手でもともと。期待せずにおこう」と覚悟を決めて袖をまくると…
2025年5月20日(火)12時30分 婦人公論.jp
このような腕で申し訳ないとは思うが、採血はいつも憂鬱だ…(写真:stock.adobe.com)
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採血ひとつでも
私の腕は白さのせいか血管が見つかりにくく、注射や採血の際は看護師泣かせである。数年前もこんなことがあった。
若い女性看護師が「チクッとしますよー」と注射針を刺し、グリグリと針を動かして血管を探すが、なかなかヒットしないのでひどく痛い。「すみませんが、もう一度やり直します」と針を抜き、再びトライするも失敗。ほかの方に交代を頼むと、彼女はそそくさとその場を去った。
代わってくれたベテラン看護師はどうにか血管を見つけてくれたが、これもかなり痛かった。このような腕で申し訳ないとは思うが、採血はいつも憂鬱だ。
半年前、若い男性看護師が採血を担当した。新人は下手でもともと。期待せずにおこうと覚悟を決めて袖をまくる。彼は、私の左腕を丁寧に何度もさすった。刺してから血管を探す人もいるなか、慎重な態度に好感が持てる。なんとか探し当てると、優しく針を刺した。するとどうだろう、まったく痛くないのだ。
「痛くありませんか。しびれませんか」と尋ねられたので、「全然痛くありません。お上手ですね」と褒めると、彼は顔を赤らめて「いえいえ、たまたまです」と首を振って謙遜するのであった。
一日中大勢の人の採血をして、疲れ果てている看護師がほとんどだろう。それでも、患者の痛みを少しでも軽減しようとする看護師に出会えて嬉しかった。
採血ひとつでも、私は人一倍緊張する。彼はきっと素晴らしい看護師に成長していくことだろう。
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