『金鶏海外影展in JAPAN』大人気「唐人街探偵」シリーズ最新作『唐探1900』が初上映
2025年5月24日(土)17時35分 ジェイタメ
今回、初開催となる「金鶏海外影展」のオープニング作品として、『唐探1900』が、本日5月23日(金)にヒューマントラストシネマ有楽町にて特別上映されました。オープニングイベントでは、同作の監督・陳思誠(チェン・スーチェン)、また本映画祭のプロデューサーで中国電影家協会執行主席の鄧光輝(ドン・グアンフイ)、さらに、脚本家、監督、北京大学教授で中国電影導演協会会員の陳宇(チェン・ウー)が登壇した。
日本でも大人気の「唐人街探偵シリーズ」の最新作が初上映という事で、初日のチケットは即完売、劇場は満席となった。
中国最大の映画授賞式「中国金鶏百花映画祭」の日本初上陸を祝して、鄧氏より、開会宣言を行うと、スペシャルゲストとして、日中文化交流など中国とゆかりのある、第93代内閣総理大臣・鳩山由紀夫元首相ご夫妻が会場にかけつけ、盛大な拍手で迎えられた。
登壇後、鳩山元首相は監督と厚い握手を交わし、「皆さんこんにちは、金鶏海外影展の開幕、誠におめでとうございます。」と祝福の言葉を述べ、続けて、「映画をきっかけに、中国と日本の交流を大きく開いていこうという新たな試みに賛同して、この度参加させて頂きました。映画というものは、芸術や文化以上に大きな、日本と中国を良好にするための影響力を持っている、素晴らしい産業だと思っております」とコメント。今回を機に、さらに日中の交流の発展を願った。
そして「これから上映する、『唐探1900』はサンフランシスコのチャイナタウンが舞台ですが、実は私たち夫婦の愛が芽生えた思い出の地ということもあり、是非鑑賞できたらと思っておりました」と素敵なエピソードで会場を沸かせた。
さらに「妻の幸も2年以内に映画を作りたいと意気込んでいるのでその際は、ぜひ皆さんにご覧頂きたいと思っております」と幸夫人の今後の目標を明かした。最後に「改めて、この映画祭が日本と中国のもっと素晴らしい環境にしていくために、大きな役割を果たすことを願い、お祝いと申し上げます。(中国語で)謝謝(ありがとうございます)」と映画祭への思いと展望で挨拶を締めた。
さらに、上映を楽しみにしている来場者に向けて陳思誠監督より、「唐人街探偵シリーズ」の3作目を、東京を舞台に撮影した時から6年が経ちましたが、本日再び東京に戻ってきて、観客の皆様にお会いすることが出来て、とても嬉しく思っております」と喜びのコメント。
続けて、「この作品は1900年のサンフランシスコが舞台になっておりますが、実際は中国国内で大規模の撮影拠点を設けて撮影しました。そして、1900年は中国にとって複雑な歴史の時代でもあるため、映画を通じて、このような歴史は繰り返されないということを感じて貰えたいという思いで作りました。また日本の皆さんには、中国の方達がこういった努力を払っていることを知っていただければ嬉しいです」と作品への想いを語った。
また「幸夫人が映画を撮りたいとお話ししておりましたが、この機会に「唐人街探偵シリーズ」全シリーズのカメラマンを担当した杜杰(ドウ・ジェ)撮影監督を、紹介させてください」とイベントの中でも交流を深めた。最後に、「鄧光輝さんはじめ、皆さんのおかげで『唐探1900』を日本で上映できた事、心より感謝申し上げます。皆さんに気に入って頂ければ良いなと思っております。(日本語で)よろしくお願いします」と笑顔でコメントし、オープニングイベントを締めくくった。
上映後のティーチインイベントでは、映画上映直後の興奮冷めやらぬ劇場で、拍手と歓声に迎えられながら陳思誠監督が登壇しました。本作が日本での初上映を迎えた心境を尋ねると、「1900年の歴史について、この映画を通じて少しでも理解をいただければ嬉しく思います」とコメント。
続けてMCより、これまで大人気シリーズ「唐人街探偵」は現代都市のタイ・NY・日本と3作品作られ、第4作目となる『唐探1900』は時代劇として製作された背景について聞かれると、「これまでの3作品はチャイナタウンが切り口でしたが、まずチャイナタウンとはどこからきたのか歴史を掘り下げてみたかった。そして国というのは強くなっていてほしい、泣かないでほしいと思っております」と現場で泣き止まぬ子供の泣き声と絡めてコメントし笑いをとりつつ、映画誕生の秘話を語る。
質疑応答では、観客からの「香港で大人気俳優の周潤發(チョウ・ユンファ)さんの起用のきっかけを教えてほしい」という質問に対し陳思誠監督は、「まず私自身彼のファンであり、香港の俳優ということも一つ理由としてあります。情熱を感じられる方で、起用しました。」と起用理由を明かした。
すでに全シリーズ鑑賞済みの観客からは「これまでのエンディングではダンスで締めくくるなどコメディ感もありましたが、これまでの作品と違いを教えてください」という質問があがった。陳思誠監督は「おっしゃる通り、この作品は100年前の物語ということもあり、愉快な作品にすることは難しい事情がありました」と続けて、「現代都市で続くとしたら、ロンドンか」と聞かれると、「現代の大都市は撮影すべき所はほぼ撮影し切ったところがあるので、今の所は考えてない。ただ、どこが難しい都市だったかというと、東京が難しい都市でした」と舞台裏を語った。
続けて、「子供の頃は香港の映画に夢中で、映画を通して歴史や文化に触れてきましたが、現在は映画の市場が縮小、昔のような香港映画は日本や韓国、アメリカに影響を与えていた黄金時代から遠ざかったように感じます。鼓舞してさらに新しい時代を築いていきたいと思っております。」と本作に対する熱い思いを述べた。
最後に「唐人街探偵シリーズ」に欠かせない、杜杰(ドウ・ジェ)撮影監督も再登壇。「本日ご覧頂けたことが嬉しいです。日本でこのような経験が出来たことはすごく考え深いです。(日本語で)ありがとうございます。」とコメント。「10年来一緒に手掛けてきて、今や相棒です」と撮影監督に労いの言葉を掛け、大きな拍手とともに、イベントは締めくくられた。
「金鶏海外影展」は5月27日(火)までヒューマントラストシネマ有楽町で開催中です。開幕作品の『唐探1900』の他にも、2024年のロマンス映画観客動員数NO.1を記録した『好東西(はおどんしー)』や、興行収入18.24億元(約375億円)の中国アニメ映画歴代2位の記録を持つ『長安三万里(ちょうあんさんまんり)』ほか『宝孜達 −バウズダ−(ばうずだ)』『半路出家(はんろしゅっけ)』『幸存者(こうぞんしゃ)』など上映作品のジャンルは多岐にわたり、中国国内で大ヒットを記録した映画作品が揃っている!