
(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』/(c)NHK)
大河ドラマ『べらぼう』
横浜流星さん主演の大河ドラマ『べらぼう』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第20回「寝惚(ぼ)けて候」が5月25日に放送され、話題になっています。
*以下「寝惚(ぼ)けて候」の放送内容のネタバレを含みます。
●「寝惚(ぼ)けて候」あらすじ
『菊寿草』で『見徳一炊夢』や耕書堂が高く評価された蔦重は須原屋(里見浩太朗さん)と大田南畝(桐谷健太さん)の家を訪ねる。
そこで近頃、江戸で人気が出ている“狂歌”を知った蔦重は、南畝から「狂歌の会」への誘いを受ける。
一方、意次(渡辺謙さん)は、家治(眞島秀和さん)が次期将軍に一橋家の豊千代を、御台所には種姫を迎える意向であることを治済(生田斗真さん)に伝える。
これで将軍後継問題は決着するかに思われたが…——。
『雛形若菜』ならぬ『雛形若葉』
呉服屋からの入銀をもとに西村屋が出版してきた『雛形若菜』。
一方で蔦重は『雛形若菜』ならぬ『雛形若葉』を計画。歌麿に絵を描かせることを前提に、西村屋の半分の入銀で顧客を募り始めます。
つながりがあった呉服屋が次々に取引を取りやめる様子を不審に感じていた西村屋。小泉忠五郎から『雛形若葉』の見本を見せられ、耕書堂に怒鳴り込みます。
耕書堂で対応した蔦重、歌麿、りつに対し「随分汚いマネしてくれるじゃねえか、ええ!」と言い放った西村屋。
すると蔦重はなぜか「ほんと、ありがとうございます」と深々と頭をさげます。
「汚ねえやり方もアリだって」
「はあ?」と西村屋が反応すると「汚ねえやり方もアリだって教えてくれたのは西村屋さんですから」と切り返した蔦重。
すると西村屋は「『雛形若菜』が滑り出したのは西村屋の後ろ盾があったからじゃねえか! 私がいなきゃ、途中で潰れてたじゃないか」と言い返します。
対して西村屋の目をまっすぐ見据えた蔦重。
「おっしゃるとおりで。なんで此度は名をお借りせず、己の力で作ろうと!」と袖をまくってこたえます。
「随分偉くなったもんだ」と苦笑いをした西村屋。それから錦絵商いはお前が持っているほど甘くはないと言い捨てると、そのまま店を去っていきました。
二重にハメられていた西村屋
その後姿を見て、高笑いをする蔦重。
それから歌麿の肩に手をまわすと「錦絵ばかりに目がいってるねえ」と言い、りつのほうに顔を向け「そろそろ気付くかねえ。あちらの方も」と笑い合います。

(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』/(c)NHK)
その後、店に戻った西村屋。
そこで忠五郎から、次回の『細見』用に吉原側が提示した女郎の名が、みな『嗚呼御江戸』のときに使われていた古いものばかりだったことを聞かされ、吉原ぐるみでハメられていたことを知るのでした。
視聴者の声
ライバル関係にある西村屋に対して罠を張っていた蔦重。
まんまとその罠にかかった西村屋は『雛形若菜』に気をとられているうちに『細見』まで刊行できない状態へと追い込まれてしまいました。
その状況に対して「西村屋は蔦重に『雛形若菜』も『細見』も潰されて散々…今回の蔦重はブラックでした」「ダ、ダメだ…もう西村屋さんは完全に悪党の格として蔦重に負けてる!」といった声がネットでは見られました。
一方、蔦重の見事すぎる策と同時に「汚ねえやり方もアリ」と断言する姿に驚きを覚えた視聴者も多かったようです。
たとえば「汚ねえやり方も、って教えてくれたのは西村屋さんw ブーメランだ」「『蔦重主人公だから……』って言ってたけど、主人公でも普通に悪辣の勝ちキメててゲラゲラ笑ってる」「悪辣な策略を使う奴許せねえよ…一橋公…蔦重…!」「これ視点変えたら『蔦重も忘八連中の枠に収まった』ってならないかな」と言った声も見られていました。
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大河ドラマ第64作となる『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。
蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。
さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当する。