上川隆也が無表情検事役 原作の中山七里氏「映像化が絶対無理な」難役挑戦 テレ東ドラマ「能面検事」
2025年5月29日(木)6時0分 スポーツニッポン
俳優の上川隆也(60)が7月11日スタートのテレビ東京ドラマ「能面検事」(金曜後9・00)で無表情なエリート検事を演じる。
原作は中山七里氏による同名小説。「表情筋が一ミリも動かない」という主人公が上層部や警察組織に対し一切の忖度(そんたく)をせず、淡々と職務を全うしていく姿を描く。「一話一話ご覧になるにつれて新たな謎が立ち現れてくる骨太のリーガルドラマ。ぜひお楽しみいただきたいと思います」と見どころを語った。
既に5月中旬から撮影に入っている。原作者の中山氏が「これは映像化が絶対無理な小説」と考えたほどの作品だが、テレ東側から2018年にドラマ化を打診された。23年に3作目の小説を出版し、連ドラ化のめどが立ったことで実現した。
中山氏は「主役は困るだろうなと思っていたが、上川さんが演じられると聞いてひと安心。無表情からどのようにして感情を表現されるのか。演技に大注目」と信頼を寄せている。
顔のアップ描写が多い日本のテレビドラマでは異色の無表情キャラクターが主人公。北川俊樹プロデューサーは「主人公の演技ができそうな演者が片手ほどしか思い浮かばない中、過去にご一緒した上川さんにお願いしようと思いました」と起用背景を明かした。
上川は「佐方貞人シリーズ」を筆頭に、これまでリーガルドラマの出演経験は豊富だ。その中でも今作は異彩を放つ。「“規格の中に収まらない”のが主人公の命題なら“規格の中だけにいる”異色の主人公」と無表情の難役を分析。現場では無表情の中にも感情が出ているという。
北川氏は「表情の中に、さまざまな感情が込められていることが伝わってきた」と太鼓判を押す。上川が日本のリーガルドラマに静かに革命を起こしそうだ。(前田 拓磨)