「重罪歴は? 共産主義者か? 同性愛者か?」海兵隊新兵への容赦ない詰問…『インスペクション』本編映像

2023年8月2日(水)19時0分 シネマカフェ

『インスペクション ここで生きる』©2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.

写真を拡大

『ムーンライト』の製作会社A24が見出した新鋭監督の半生を描いた実話『インスペクション ここで生きる』が8月4日(金)より公開。監督自身の実体験に基づく本作から、海兵隊入りを目指す新兵たちがブートキャンプに到着するや「重罪歴はあるか? 共産主義者か? 同性愛者か?」と怒涛の詰問をされるシーンの本編映像が解禁となった。




この度、2005年のアメリカ、監督自身の実体験に基づく本作から、新兵たちがブートキャンプに到着するやいなや“インスペクション=点検・検閲”される、タイトルに紐づく象徴的なシーンの本編映像。

ゆっくりと停車するバスの中から走って飛び出してくる青年たち。両サイドから「降りろ!」「さっさと並べ!」と教官たちが大袈裟な身振り手振りとともにがなり立てている。複数の指導者を取りまとめるロウズ上官は、新兵たちに正しい足の揃え方を指示しながら、「3か月でお前らを最強の兵にして戦闘に送り出す」と宣言する。

彼らはまだ制服に袖を通すことを許されていない海兵隊の卵たち。そんな彼らに最初に待ち受けている試練は、徹底的に行われる“インスペクション”。点検・検査といった意味を持つ言葉だが、「重罪歴はあるか? 最近大麻を吸ったか? テロ組織に所属していたことは? 共産主義者か? 同性愛者か?」と、全員が海兵隊の物差しで教官たちから詰問される。

顔に唾がかかるほどの大声、至近距離で問われた新兵たちも、全力で「ノー、サー!」と叫び返さなければならないのだ。

「今までの軍隊ものでは描かれなかったシーンだと思います」とエレガンス・ブラットン監督。鬼教官にしごかれるハードなシーンは、軍隊を描く名作の数々でも散見されてきたが、今回の映像のような入隊前のやり取りはあまり馴染がないかもしれない。それは全てブラットン監督自身の身に起きた事柄であり、彼の経験を色濃く反映している映画だからだろう。

また、本作のタイトルに関して監督は、「海兵隊という場では日々、点検・検査が行われているのでもちろん軍隊・上官からフレンチ(主人公)への“インスペクション”ということもあるし、同時に社会の中で自分が“インスペクション”されるという意味合いも込められています」と明かしている。

「私は、軍隊に対して否定も賛同もしていない。この映画を通して会話を生み出して欲しかったのです」と話すように、物語の本質は軍隊の描写のその先にある。軍隊で、ひいては社会で誰かが誰かを“インスペクション”すること。それは誰の物差しで、誰が良し悪しをジャッジするものなのか。多様性について世界中が議論を続けている昨今、本作も問いかけている。

『インスペクション ここで生きる』は8月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。

シネマカフェ

「同性愛者」をもっと詳しく

「同性愛者」のニュース

「同性愛者」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ