【インタビュー】永野芽郁 全力で駆け抜けた10代「自分の存在自体に、少しだけ自信はついた」

2019年8月22日(木)7時45分 シネマカフェ

永野芽郁『二ノ国』/photo:You Ishii

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文字通り、全力で駆け抜けた10代だったろう。9月で20歳になる永野芽郁は、10代後半から主演映画にドラマ、朝ドラヒロインを経て、いまや国民的女優として老若男女に広く認識され、そして愛されている。

メディアを通して感じる永野さんの屈託のなさ、みずみずしさ、掛け値なしのキュートさは取材時も顕在なのだが、ほかの誰にも似ていない確かなキャリアを積んできた実績が、彼女を年齢よりわずかに大人びて見せた。等身大な素顔をさらけ出すこともいとわないが、ヴェールに包まれたところもあり肝も据わっている。女優という職業が似合う存在だ。


「すごく悩んだ」作品への参加、10代ラストの挑戦
記念すべき10代最後となった作品は、実写ではなく、アニメーション映画『二ノ国』での声の仕事だった。人気ファンタジーRPG「二ノ国」シリーズの設定をもとに、完全オリジナルストーリーで製作された本作は、現実世界「一ノ国」と、命のつながりを持つもうひとつの世界「二ノ国」の両方が舞台。高校生のユウ(山崎賢人)と親友ハル(新田真剣佑)は、幼なじみのコトナ(永野芽郁)をめぐる事件をきっかけに、ふたつの世界を行き来することになる。永野さんはコトナのほか、「二ノ国」でのアーシャ姫も担当し、ひとり二役という難題に応えた。


アニメーションの吹き替えは初めて。鈴のような心地よさを思わせ、明るく朗らかな声のトーンは、吹き替えに打ってつけかと思いきや、実のところ本人はおよび腰だったと言う。

「お話をいただいたとき、新しいことに挑戦することは不安なので、すごく悩んだんです。けど、やらないことには何も始まらないですし“ずっと苦手意識を持っていたら一生できない!”と思って、私でよければとお引き受けしました。やっている最中は…苦手なので苦痛でしたけど(笑)、アドバイスをいただいて必死にやらせてもらいました。終わったいまは、“やってよかった!”と思っています」。


アフレコ自体にも、ふたりのキャラクターを行き来することも、身振り手振りを交えて難しさを表現する永野さん。やり終えることができた理由を聞けば、真っ先に「自分ではわからないことも、周りの方たちに作っていただけたからです」と、監督や周囲のスタッフへの感謝をいの一番に挙げる。

「周りの方と一緒に作る環境が、すごく好きなんです。皆さんと一緒にできたことで、自分のできていないところもわかったし、逆に自分がやれることがあるところもわかりました」。


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“これだけは自分らしくいられることだ”と思うものを、ブレずに持ち続けたい
改めて、10代最後の作品となったことについて尋ねると、「10代ラストだからこそ、10代のうちにできるだけ苦手を克服しようと思ってやりました。これからも、チャンスがあるならチャレンジはどんどんしていきたいです。以前のアフレコは実写なので違いますけど、当時挑戦したときよりは…、自分の声にも、自分の存在自体にも、少しだけ自信はついたんじゃないかな、と思います」と返ってきた。


初めて彼女の口から出た「自信」という言葉。さらに「チャレンジしていきたい」という気持ち。ふたつの気持ちを持ち合わせて、さらなる拡がりを見せる20代へと躍進していく姿が想像できる。20代の抱負も、実に永野さんらしく誠実なものだった。

「10代と20代では、きっと見える景色や自分の頭の中も全然変わると思うんです。その中でも“これだけは自分らしくいられることだ”と思うものを、ブレずに持ち続けていきたいです。明確に何というものではないんですけど、例えば、人とは絶対に目を合わせてお話しする、とかをいまは意識しています」。


「本当に普通のことなんですけど…、ちょっとしたことを大事に過ごしていけたら、女優さんとしても、女性としても、自分が思う理想の人になれたりするのかな、と思ったりします。“こうなりたい”と思える素敵な先輩たちが、自分のすぐそばにいてくださるので、そうなれるように、自分も磨いていかないと」。

10代から20代へ。めまぐるしく過ぎていく日々の中でも自分を見失うことなく、永野さんが自分の足でしっかり立ち続けられている理由がわかるような、信念の言葉。この先見ることができるであろう、大人の顔にも期待したい。

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