ロシア、「蜜月」中国にも核兵器使用を計画?東部領土の併合に深い懸念―英紙報道

2024年3月8日(金)11時0分 Record China

ロシアが「蜜月関係」の中国にも核兵器使用の計画を持っている、と英紙が機密文書を基に報道。中国がロシアの東部領土の併合を試みるかもと長年深く懸念してきたことを裏付けている。写真はロシア。

写真を拡大

ロシアが中国の侵略を撃退するため核兵器を使用する計画を持っている、と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が漏出した機密文書を基に報じた。ウクライナ侵攻後、両国は「蜜月関係」にあるが、中国がロシアの東部領土の併合を試みるかもしれないと、ロシアが長年深く懸念してきたことを裏付けている。



米誌「フォーブス」が紹介したFTの記事は「ロシアは国境を接する友好関係はすぐに変わり得ることを知っている」と前置き。「前回、中国と旧ソ連が友好条約を結んだときは、20年も経たないうちに国境をめぐってひどい紛争が起きた」と回顧した。



続いて「アジア全域での中国の行動は過去のささいな仕打ちや長年にわたる領土の喪失を中国がずっと覚えていることを示している」と説明。「領土拡大にこだわる中国の民族主義者らはロシアの軍事的弱点を中国がますますさげすむようになっていることと相まって、過去の敗北に対する憤りを利用して衰退したロシアに十分歯向かうことができる」と述べた。



FTは「ロシアはこのことを知っており、中国の冒険主義を抑止するのにかなり苦心している」と指摘。「ロシア陸軍が過剰なまでにウクライナに注力しているにもかかわらず、ロシアは昨年、核弾頭の搭載が可能な弾道ミサイル『イスカンデル』の演習を『中国と国境を接する地域』で2回行った」と伝えた。



中国による国境を超えた侵略に核を用いて対応するというロシアの計画は、やがて中国が人口の少ないロシア東部の領有権を主張し始め、長い間無視されてきたロシアのアジア系市民を擁護するために手を差し伸べるかもしれない、とロシアがいかに懸念しているかを明らかにしている。



興味深いことにロシアの核を用いて対応するシナリオは中国軍がロシア領内に侵入した後、主に同軍を標的にする最後の自衛手段ととらえているようだ。このような想定は欧州重視のロシア軍の幹部らがアジア系のロシア市民がいるところで核兵器を使用することにほとんど良心の呵責(かしゃく)を感じないことを示唆している。



中国が突然の領土強奪に動く素地は整っている。中国は長年にわたり、ロシアとの長い国境に関して恨みを鬱積(うっせき)させてきた。多くの中国人の間では太平洋側に位置するロシア極東地域最大の都市ウラジオストクはロシア名で知られていない。古くからの中国名(海参崴)が今でも広く使われている。



ロシアについて、FTは「民族的・経済的バランスが変化し続ける中、欧州に注力しているロシアの支配層は日に日に弱体化している」と論評。「中国はやがてロシアがウクライナ南部クリミアで実行した戦略をそのまま流用し、往々にして信頼できない核抑止力に領土保全を託すロシアの望みを砕くために、似たような戦術を用いるかもしれない」との見方を示した。(編集/日向)


Record China

「ロシア」をもっと詳しく

「ロシア」のニュース

「ロシア」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ