グローバル化はリスク、ドイツ企業の新たな中国戦略―独メディア

2024年4月10日(水)9時0分 Record China

8日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ドイツ企業の中国戦略について大手換気装置メーカーの動きを紹介する記事を掲載した。

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2024年4月8日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ドイツ企業の中国戦略について大手換気装置メーカーの動きを紹介する記事を掲載した。



記事は、ドイツ南西部、フランケン地方に本社を構える大手換気装置メーカー、ebm-papstでは中国をはじめとする世界各地に生産拠点を持つが、中国工場で必要とされる生産資材の約30%が欧州から調達され、逆にドイツ工場では逆に資材の約20〜30%を中国など非欧州連合(EU)諸国に依存している状況であり、会社の関係者は世界の工場間で部品を受け渡すのは得策ではないと認識し、今後2年間で95%の現地調達化を目指す姿勢を示していると紹介した。



そして、ケルンにあるドイツ経済研究所の中国専門家ユルゲン・マテス氏が、ロシア・ウクライナ戦争によって世界に分散する産業チェーンへの依存によって経済が不安定になるリスクが認識されるようになったと指摘。ドイツ政府も昨年夏に発表した「中国戦略」の中でこの点を強調したとしている。



また、ebm-papstは台湾有事の危機が差し迫っている訳ではない現時点において中国事業を縮小するどころか拡大する方針であり、3月末には上海に中国本社を開設したと指摘。ただ、そこには「有事の際に中国の法人をドイツ本社やその他の国の子会社から非常に迅速かつ切り離すことができるように構造的に準備されている」というリスク回避策も講じられていると伝えた。



一方で、材料の現地調達化を95%に引き上げても、なおも5%の「リスク」が残ることをebm-papstの幹部が認めているとも紹介。仮に台湾海峡での戦争が勃発し、中国からの部品供給が完全に途絶えた場合、ドイツ企業が現地向上の生産に必要な材料の代替品を欧州で見つけるのは非常に難しい現実があるとした。



記事は、材料の現地調達、現地生産100%を実現するために欧州での生産能力を再増強させることは、コスト増を意味する可能性が高いとした上で、ebm-papstのガイスドルファーCEOが「全体的なコストが最も低いところに工場を設立し世界と相互接続するという、従来のグローバリゼーションの概念から離れつつある」と述べ、短期的にはコスト増につながる地域密着型のビジネスモデルが、少なくとも長期的にはその価値を発揮し、国境を越えた輸送が減ることによる環境保護への貢献に期待を示したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻)

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