中国経済の減速に関する五つの誤解―米専門家

2024年4月15日(月)9時0分 Record China

米誌フォーチュン(電子版)にこのほど、「中国経済の減速に関するこれら五つの誤解は米国の自己満足につながる可能性があると専門家が警告している」とする記事が掲載された。

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米誌フォーチュン(電子版)にこのほど、「中国経済の減速に関するこれら五つの誤解は米国の自己満足につながる可能性があると専門家が警告している」とする記事が掲載された。



中国メディアの環球時報が9日、要約して伝えたところによると、記事はまず、ジャネット・イエレン米財務長官の訪中に触れ、「意見の相違が高まる中での緊張緩和を目指しており、米中経済関係への関心が高まっている」とし、「中国経済が成長鈍化、不動産危機、半導体などの主要技術に対する米国の輸出規制に苦しむ中で、協力関係の改善を求める動きが出ている。そのため、中国の数十年にわたる成長の歴史が終わりを迎えるという予測が出ている」とした。



その上で、「トップクラスの中国問題専門家は、そのような悲観論に対して、米国が自己満足に陥り、アジアにおける経済と安全保障の優先事項を危険にさらす可能性があると警告した」とし、米シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所の上席研究員、ニコラス・ラーディ氏がこのほど、米誌フォーリン・アフェアーズへの寄稿で、「中国の成長は近年鈍化しているが、今後数年間で米国の2倍の速度で拡大する可能性が高い」とし、中国経済に関する五つの誤解を指摘したことを取り上げた。



それによると、一つ目の誤解は、中国経済はもはや米国に追いつき追い越すことができないとの見方に関するもので、中国の国内総生産(GDP)は、2021年の米国のGDPの76%から23年の67%に確かに低下したが、ラーディ氏はその原因を、外国資本の流出や為替レートの下落といった「一時的な」要因に帰した。国際通貨基金(IMF)は、今年中国の物価が上昇し、人民元換算で中国のGDPが押し上げられると予想している。同氏は「米ドル換算の名目GDPは、ほぼ確実に、今年再び米国のそれに近づき、約10年以内に米国のそれを超える可能性が高い」と付け加えた。



二つ目の誤解は、中国の所得、支出、消費者信頼感が弱いというものだが、ラーディ氏はそれがデータによって裏付けられていないとし、むしろ、昨年の1人当たり実質所得は6.1%増加し、消費の伸びがそれを上回ったと述べた。



三つ目の誤解は、中国のデフレが定着しているというものだ。ラーディ氏によると、消費者物価は昨年ほぼ停滞したが、食品とエネルギーを除いたコア物価は0.7%上昇した。確かに、工具や特定の原材料の価格は23年に下落したが、それはエネルギーやその他の商品の価格低下によるもので、その後、今年に入ってから反発している。



四つ目は不動産投資の減少に関連しており、これは伝統的に中国経済の大きな原動力となってきた。確かに、23年の住宅着工件数は21年の半分だったとラーディ氏は認めたが「しかし、その背景を見なければならない。同じ2年間で、不動産投資の減少はわずか20%だった。開発業者がそのような支出のより多くの割合を、以前に開始した住宅プロジェクトの完成に割り当てたためだ。23年には完成件数が7億2433万平方メートルに拡大し、初めて住宅着工件数を上回った」と説明した。



五つ目の誤解は、中国の企業家らが国外に逃亡しているというものだ。ラーディ氏によると、総投資に占める民間部門の割合は14年以降低下したが、その主な原因は不動産市場によるものだ。不動産を除く民間投資は昨年10%近く増加した。あるデータによると、ファミリービジネス(同族企業)の数が23年には2300万社増えて1億2400万社に達した。



ラーディ氏は「中国は多くの問題に悩まされているが、こうした問題を誇張することは誰の役にも立たず、中国が西側諸国に突きつける非常に現実的な課題に直面して自己満足に陥る可能性さえある。それは特に米国に当てはまる」と警告し、「中国は今後も世界経済の成長の3分の1に貢献し、経済規模を拡大するだろう」と予測した。(翻訳・編集/柳川)

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