台湾、中国スパイで起訴の6割が現役・退役軍人、空軍の夫婦には懲役47~57年

2025年4月19日(土)7時0分 Record China

台湾で2020年以降に中国のスパイ事件で起訴された人のうち、6割が現役・退役軍人だった。機密情報を中国に提供したとして、空軍中佐と少佐の夫婦には懲役47~57年の判決が言い渡された。写真は中華民国旗。

台湾の情報機関が立法院(国会)に提出した報告書で、2020年から現在までに中国のスパイ事件で起訴された人のうち、現役・退役軍人が約6割に達していることが分かった。台湾高等法院(高裁)は10日、国防上の機密情報を中国に提供したとして、空軍の中佐と少佐の夫婦に懲役47年と57年の判決を言い渡した。



台湾・中央通信社が紹介した情報機関・国家安全局のデータによれば、20年から現在までに中国のスパイ事件で起訴された人は159人。このうち95人が現役・退役軍人だった。



内訳は士官46人、下士官27人、兵士22人。国家安全局は中国の狙いは高級士官に限定されていないとし、台湾への浸透の手口が多様化し、全面的になっていることが浮き彫りになったと指摘した。



台湾・国防部(国防省)の顧立雄部長は情報の漏えいを防ぐため、機密情報にアクセスする際の検査を強化する方針を強調。「中国はあらゆる手段を用いて必要な情報を得ている」と述べ、台湾軍は中国が重点を置くターゲットの一つだと説明した。



一方で顧部長は「軍は安全を守るための教育を進めており、スパイ事件の約87%が軍人の通報によって摘発されたものだ」と言明。さらに「現在は機密情報にアクセスする際の検査を重視している」と言及し、「階級を問わず、ある程度の機密情報に触れる際には関連の検査を済ませる必要がある」とした。



台湾高等法院高雄分院で実刑となった夫婦は中国の情報機関に協力していた退役大佐に抱き込まれていた。2人を抱き込んだ退役大佐には一審で懲役20年が言い渡されている。



退役大佐は01年以降の在職期間に義理の父の紹介で中国の情報機関職員とつながりを持った。13年に退役した後も軍での人脈を活用し、金銭を必要とする現役軍人らにターゲットを絞って情報収集に協力させていた。



空軍中佐は野球賭博にのめり込んで困窮していたところ、16年に退役大佐に抱き込まれた。空軍少佐も金に目がくらみ、22年に録音データを作成して中国側に提供したという。



高裁高雄分院は空軍中佐が陸海空軍刑法の軍事機密を敵に渡した罪など四つの罪を犯したと判示し、各罪に懲役6〜14年を言い渡した。空軍少佐も四つの罪で、懲役8〜17年とされた。(編集/日向)


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