プーチン氏宣言の復活祭「一時停戦」は不発…ロシアとウクライナ、共に相手側による攻撃主張

2025年4月21日(月)11時9分 読売新聞

ウクライナのゼレンスキー大統領(17日、キーウで)=AP

 ロシアのウクライナ侵略を巡り、プーチン露大統領は19日、20日のキリスト教の復活祭(イースター)に合わせた一時停戦を一方的に宣言した。期間は21日午前0時(日本時間21日午前6時)までの30時間で、ウクライナ側も応じる意向を示したが、双方が相手の攻撃を受けたと主張しており、停戦は不発に終わったとみられる。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日午前0時時点で、前線での砲撃など露軍の違反行為が2935回に及んだとX(旧ツイッター)で指摘した。「停戦には停戦で、露軍の攻撃には自衛で応じる」と強調した。

 ただ、20日には、首都キーウをはじめ市街地へのミサイル攻撃などに警戒を呼びかける警報はなかったという。ゼレンスキー氏は、市街地などの民間インフラを標的にした長距離無人機やミサイルによる攻撃を30日間停止するようロシア側に呼びかけた。「ロシアが応じないのであれば、戦争を長引かせようとしている証拠だ」と訴えた。

 これに対し、タス通信は21日、ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官が停戦期間の延長について「(プーチン氏の)指示はない」と否定したと報じた。

 プーチン氏が一時停戦を突如発表したのは、停戦交渉の停滞にいらだちをみせる米国のトランプ大統領に対し、露側に対話姿勢があるとアピールする狙いがあったとみられる。戦闘が続く責任をウクライナ側に押しつける思惑もあったようだ。

 露国防省は20日、ウクライナ軍が露西部ベルゴロド州などの国境地帯を無人機などで攻撃し、民間人が死傷したと主張した。露外務省報道官も20日、ウクライナ軍が停戦期間中、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」を使用したとSNSに投稿した。いずれも具体的な証拠や詳細を示していない。

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