「また太陽かよ」3つ目の太陽に飽き飽きする北朝鮮国民

2024年4月25日(木)10時50分 デイリーNKジャパン

「今月から党は『太陽節』という言葉を使えなくした」


北朝鮮北部、両江道(リャンガンド)の情報筋は最近、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の質問にこのように答えた。


北朝鮮で民族最大の名節のひとつとされる、4月15日の金日成生誕記念日は、1997年から「太陽節」と呼ばれるようになったが、今年からその用語の使用が事実上禁止されたのだ。



咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、咸興(ハムン)市内では例年同様に金日成氏の銅像に花束を手向ける儀式や、学生のダンスパーティが行われたが、太陽節という表現は例年と比べてあまり使われなかった。ひそひそとこんな冗談を言う人もいたという。


「太陽が金日成から金正恩に変わったんじゃないの?」


一方、30代の市民はこのような反応を示した。


「『金正恩元帥様がわれわれの太陽』ということが少しずつ(教育やメディアで)吹き込まれつつある」


しかし、評判はあまりよくない。


「友人らは『また太陽かよ』と冷めた反応を見せていた」


50代の市民も、人々の冷めた反応を伝えた。


「太陽が首領様(金日成氏)から元帥様(金正恩氏)に変わったようだが、太陽だろうが何だろうが関心を持つ人はあまりいない」


そしてこのようにこき下ろした。


「人民が自ら進んで『あのお方は太陽だ』と自然に崇めるようにしなければならないのに、強制的に太陽だと呼ばせてもどうしようもない。ただでさえ飢えに苦しんでいるというのに、さらに耐乏生活を強いる太陽なんかに誰が従うものか。光を発しない太陽がなぜ太陽でいられるのか」


情報筋によると、金正恩氏をかたどったモザイク壁画が設置されるなど、金正恩氏を太陽と呼んでもおかしくないような空気にする地ならし作業がかなり前から行われていた。しかしこの情報筋も、市民が冷めた反応を示していると伝えた。


「太陽になる前に、喉の渇きで死にそうになっている人々に水を与える指導者になってくれればいいのに」

デイリーNKジャパン

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