トランプ大統領、シリア制裁を全面解除…「米国と正常な関係を回復するための第一歩」

2025年5月14日(水)9時59分 読売新聞

13日、サウジアラビアの首都リヤドで会談するムハンマド皇太子(右)とトランプ米大統領=AP

 【リヤド=池田慶太】米国のトランプ大統領は13日、訪問先のサウジアラビアで演説し、シリアに対する米国の制裁を全面的に解除する考えを明らかにした。昨年12月のアサド政権崩壊後も混乱が続くシリアの安定を重視し、方針転換した。トランプ氏は14日にアフマド・アッシャラア暫定大統領とサウジで面会する予定で、方針を伝えるとみられる。

 トランプ氏は演説で内戦が続いたシリアの苦難に触れ、「新政府が国の安定と平和の維持に成功することを望む」と指摘した。「米国とシリアの正常な関係を回復するための第一歩」として制裁解除に言及し、「今こそシリアが輝く時だ。幸運を祈る」と述べた。サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子やトルコのタイップ・エルドアン大統領との議論を踏まえ、決断したという。

 米欧は2011年、民主化運動の弾圧を受けてアサド前政権に制裁を発動した。米国は制裁を強化し、19年には政権との取引を事実上禁じる法律を制定した。アサド政権崩壊後、制裁は一部緩和されたものの大半は維持されており、中東近隣諸国はシリア復興や地域安定のため解除を求めていた。

 米国とシリアの首脳が面会すれば、00年に会談したビル・クリントン大統領(当時)とアサド前大統領の父ハフェズ大統領(同)以来となる。トランプ氏は、ルビオ国務長官が週内にトルコを訪れ、暫定政府の外相と会談すると明かした。

 一方、トランプ氏はイランの核開発を巡り、核兵器の保有を阻止する考えを改めて示した。現在進行中の米国との交渉に合意すれば「イランにははるかに良い未来が待っている」と呼びかけた。合意しなければ「石油輸出をゼロにする」とも強調し、「米国とその同盟国がテロや核攻撃の脅威にさらされることを決して許さない。今こそ彼らが選択すべき時だ」と合意を迫った。

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