9割の業者が損失を計上、新車の値下げ競争で中古車市場にしわ寄せ―中国

2024年7月3日(水)17時0分 Record China

2日、中華網は中国の中古車市場で9割の業者が損失を出すほどの経営難に陥っていると伝えた。

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2024年7月2日、中国メディアの中華網は中国の中古車市場で9割の販売店が損失を出すほどの経営難に陥っていると伝えた。



記事は初めに、広東省広州市海珠区の中古車取引市場を取材した。同所は広州市で最大規模の中古車取引市場だという。取材日時は6月28日午後5時ごろだったが、広大なスペースにもかかわらず、車を見に来た人はまばらで、一部の店舗には来客がほとんどなかった。市場のブースには空き店舗も目立っていた。関係者を取材したところ、販売している車の値段は買取値とほとんど変わらず、売り上げはブースの店賃を払うには足りないという。業界の景気が良かった頃は、ひと月に何十台も売れ、純利益で最低10万元(約220万円)以上は稼げたが、人が減り、取引が減り、供給過多で利益幅が圧迫された上に、在庫回転率の悪化や資金回転率の下落のリスクに直面しているという。



中国汽車流通協会が公表しているデータによると、今年5月時点の中国全土の中古車取引量は158万4600台で、前期比5.62%減を記録したという。また昨年7月のデータによると、欠損を出した中古車販売業者が92%に上り、中小規模の業者の一部には閉店廃業する者もいるという。また、22年1〜12月の中古車の平均在庫周期は37〜51日だったが、23年上半期には48〜57日に伸び、下半期には59〜61日にまで悪化した。他にも、昨年12月のアンケートによると、18.5%の業者が経営状態について「良くない」と回答し、4割近い企業の資金回転率が10%落ちたと回答したという。



記事はこのような現状に至った原因として、「新車市場の値下げ競争が引き起こしたドミノ効果で、下流の中古車市場にしわ寄せが来ている」と指摘し、「5月に起きた新車価格の波が中古車市場での在庫回転率の悪化を招いた。現在の在庫平均周期55日では、業者の資金運用に困難が生じ、経営リスクが増加する。多様な要素が同時に作用し、中古車市場の閑散期が早めに到来した。本来なら6月に起こる閑散期が5月中下旬に起きている。市場の変化に直面した業者の中には、生き残るチャンスを求め、中古車情報のプラットフォームと協力し、ネット販売のルートを開拓しようとする業者も少なくない」と伝えた。



記事は最後に、業界関係者の意見として「現在の中古車市場の難局は、経営者の能力が試される試練や過渡期とも言える。利潤と回転率の低下は明らかだが、製品の質の向上や経営戦略の調整、販売やサービス能力の強化など、商売をする側の進化が求められている」という声を紹介した。



また、中国汽車工業協会(CAAM)の許海東(シュー・ハイドン)副チーフエンジニアを取材し、専門家の意見として「商務部など14部門が先日発表した『消費財買い替え・下取り推進行動プラン』を踏まえると、二つの方面から対策が考えられる。一つ目は中古車取引を活性化し、中古車両の循環を促し、中間費用を抑え、車両データを公開し、サードパーティーのプラットフォームへサービス提供を後押しすることで、中古車販売業界のルールを発展させることで、その目的は消費者にとって安心かつ便利な取引をさせることにある。とりわけ新エネ車の中古車は、バッテリーと車両の鑑定を強化し、新エネ中古車の循環システムの設立を推し進め、業界の健全な発展を促し、消費者に後顧の憂いを無くさせることを提言する。二つ目は中古車ビジネスを主体とする事業者を援助し、ブランドモデルの中古車企業の発展を後押しすることだ。これら二つの方策を実行することで、中古車取引業界の規模を全体的に発展拡大させることができる」と伝えた。(翻訳・編集/原邦之)

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