日産はどうなる?残された時間は多くない―中国メディア
2024年12月13日(金)7時0分 Record China
11日、観察者網は、日産自動車が厳しい経営状況に直面していることを報じた。
2024年12月11日、中国メディアの観察者網は、日産自動車が厳しい経営状況に直面していることを報じた。
記事は、中国における電気自動車(EV)販売が急速に増加する中、合弁自動車メーカーの販売減少はもはや珍しいニュースではないとした上で、日産の24年7〜9月期の純損益が93億4000万円の赤字になったと紹介。最近では「日産は手元資金が急速に減少し、新たな投資家を求めて奔走しているが、もし見つからなければ12〜14カ月以内に破産する可能性がある」といったニュースが国内外のメディアによって報じられ、これを受け日産は「業績改善のための事業構造改革を急いでいる」と説明したことを伝えた。
記事はまた、中国市場における日産の足跡について「急成長から頂点に達し、そして急速に失速した」と評価。「急成長から頂点」の部分について、1973年にセドリックを中国で初めて発売し、85年には北京に事務所を設置して93年に初の合弁会社「鄭州日産」を、2003年には東風汽車との合弁会社「東風日産」を設立、その後順調に業績を伸ばし、2018〜19年には中国市場での年間販売台数が150万台を超えて最盛期を迎えたとした。
一方で、2019年以降は販売台数は年々減少し、2023年には前年比24%減の79万8300台にまで落ち込んだと指摘。特に、トヨタやホンダといった日系のライバルに比べて日産はモデルチェンジが遅く電動化の流れにも乗り遅れているとし、日産の代表的なSUV「キャシュカイ」(日本名デュアリス)はもはや消費者を魅了する力を失っていると伝えた。
その上で、日産が危機的状況を乗り越えるためには、日産の主要パートナーであるルノーが売却しようとしている保有株式を引き受ける長期的かつ安定した株主の獲得、日本国内自動車メーカーとの提携強化、そして新たな投資家が見つからないまま販売低迷が続いた場合の民事再生という3つのシナリオしかないとし、このうち国内ライバルとの協業ではホンダとEV分野での協力を模索しているものの、資本提携については慎重姿勢を崩していないと紹介した。
記事は最後に「日産に残された時間は多くない。特に中国市場では、電動化に対する迅速な戦略転換と地元消費者へのアピールが不可欠だ」とし、昨年11月には26年までに中国市場に8車種のEVを投入することなどを盛り込んだ中国事業テコ入れ策を発表しているものの、市場の期待に答えられるのかについては「その時になってみないとわからない」との考えを示した。(編集・翻訳/川尻)