日立系、2024年問題の緩和につながるエレベーターの新技術を開発

2024年3月8日(金)19時28分 マイナビニュース

日立製作所と日立ビルシステムは3月7日、エレベーターの据付作業の工期を短縮する新技術「据付位置調整装置」を開発し、最新の標準型エレベーター「アーバンエース HF Plus」の据付作業において運用を開始したことを発表した。これにより建設業界の慢性的な人手不足や「2024年問題」の影響の緩和をめざす。
○「据付位置調整装置」で作業時間3割減
今回開発した「据付位置調整装置」は、エレベーターのスムーズな上下移動に欠かせないガイドレールの設置時の位置調整作業を半自動化する「レール位置調整装置」と、エレベーターの乗場のシル(敷居)を建屋の床の高さに水平に設置する作業を半自動化する「シル位置調整装置」で構成される。これらにより、経験の浅い技術者でも早く正確に作業を行うことが可能となり、当該作業の作業時間を従来比で約30%低減するとしている。
ガイドレールの据付は、まず昇降路の天井からピアノ線を垂直に下し、そのピアノ線に沿ってガイドレールを昇降路内の梁に仮止めしたあと、従来の作業手順では技術者がピアノ線とガイドレールの距離を物差しで測り、ハンマーで叩いて前後左右の位置を調整していたが、「レール位置調整装置」の適用により同作業を半自動化することが可能となる。
具体的には、光センサーによりピアノ線を検出し、そのデータを元に四つのアクチュエーターを制御して、昇降路内の梁に仮止めしたガイドレールの前後左右方向の位置を半自動調整するという。
○「シル位置調整装置」で作業を半自動化
また、各階の出入口にシルを取り付ける作業では、まず建屋の床材が置かれる高さにシルを持ち上げ、前後左右の位置を合わせ、上下前後左右の6軸で水平度の調整と建屋床面との高さ合わせを行う難易度の高い調整が必要となる。従来の作業手順では技術者がシルの上に水平器を置き、ハンマーで細かく叩くことによって傾きを調整していたが、「シル位置調整装置」を適用することで、同作業を半自動化することが可能となる。
具体的には、傾斜センサーでシルの水平度のデータを取得し、そのデータを元にアクチュエーターを制御して、シルが床面と水平になるように半自動調整するということだ。

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