iPhone 16eのバッテリーが長持ちなのはどうして? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ
2025年3月10日(月)11時15分 マイナビニュース
お手頃価格と充実スペックで人気の「iPhone 16e」は、バッテリーのもちが優秀ということで話題を集めています。サイズはiPhone 16とほぼ同じ、重さの差もわずか3gと明らかな違いはないにもかかわらず、ビデオ再生時間はiPhone 16が最大22時間でiPhone 16eが最大26時間と大きな開きがあります。その理由を紐解いてみましょう。
まず、搭載されているSoC「A18」の仕様差が挙げられます。iPhone 16のA18は高性能コア×2と高効率コア×4の6コアCPUと5コアGPU、16コアのNeural Engineで構成され、iPhone 16eのA18も同様の構成ですがGPUコアは1つ少ない4基です。そのぶん演算性能は抑えられるものの、消費電力は減るためバッテリーのもちは向上します。
ディスプレイの仕様差も影響していると考えられます。iPhone 16の最大輝度は1,000ニト/ピーク輝度は1,600ニトであるのに対し、iPhone 16eの最大輝度は800ニト/ピーク輝度は1,200ニトと若干抑え気味であり、そのぶん消費電力も減ります。
モデムチップの違いも見逃せません。iPhone 16eでは、Appleが開発した初のセルラーモデム「Apple C1」が採用されています。Appleの言葉を借りれば、新しい内部設計とiOS 18の電力管理機能により並外れたバッテリー駆動時間を実現し、「iPhone史上最も電力効率に優れたモデム」となっているそうです。
バッテリーのもちに直結する容量についても差があるようです。報道によれば、内蔵のリチウムイオンバッテリーはiPhone 16が3,561mAhであるのに対し、iPhone 16eは4,005mAhと約12%増量しています。この点だけでもバッテリーのもちにおけるiPhone 16eの優位性は明らか、といえそうです。
海上忍 うなかみしのぶ IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。マイナビニュースでは、「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」のほか、前世紀から続く「(新)OS Xハッキング!」などを連載中。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。 この著者の記事一覧はこちら