世田谷区の職員チームが生成AIと対話ができるチャットボットを3カ月で内製開発

2024年3月12日(火)17時42分 マイナビニュース

クラウドネイティブは3月12日、東京都世田谷区のDX推進担当課の職員チームが、内製でMicrosoft Azureに生成AIを活用する環境を構築し、Microsoft Teamsで生成AIと対話ができるチャットボットを開発して全職員への提供を開始したことを発表した。
○チャットボットの概要
同チャットボットは、Microsoft Azureがクラウドで提供する機能やサービスのみで構成された環境で、外部に委託することなく、非エンジニア職の区職員がローコードツールなどを駆使して開発し、自治体に求められる各種セキュリティ要件もクリアしているもの。
区職員が通常業務を兼務しながら、3カ月という短期間ですべての工程を完了させたという。シンプルな環境で習熟が容易なツールを採用することは、多くの自治体が直面しているノウハウの蓄積や開発・運用コスト、開発スピードに関する課題を解決できるとしている。
また、クラウドネイティブは、環境の構築および開発を支援し、プロジェクトの進捗や担当の区職員の習熟レベルに合わせながらノウハウを提供。世田谷区のICT環境へは一切触れず、区職員たち自身の手で構築・開発しているということだ。
同チャットボットサービスは、世田谷区の生成AI活用プロジェクトの第1弾として、2024年1月に稼働開始。チャットボットのキャラクターを「明るくポジティブ」「絵文字をよく使う」などの性格に設定することで、親しみやすさを演出しているという。
○73%の区職員が「生産性の向上を実感」
実際に利用した区職員127名を対象にしたアンケート結果によると、生産性の向上を実感した区職員が73%にものぼり、通常業務では1日平均約34分の削減、アイデアや企画の素案作成については1回の処理につき平均約77分削減したという。
役に立った主なケースとしては、文言の言い換えや文章の校正、アイデア出しや会議の壁打ち、Word操作・Excel関数などの検索、文章の要約・翻訳、文書やレジュメなどの構成・目次、イベント挨拶などの原稿作成などが上位となった。また、今後実装されたら使用したいものは、内部文書を学習した問合せBot、議事録の要約:文字数制限を拡大、画像生成、やさしい日本語Botなどとなった。
現在は生成AIに庁内のデータや文書を参照させて質問に答える「QAチャットボット」をテスト中で、70%以上の区職員が期待しており、同年3月中にICTサポート用チャットボットを提供開始する予定だという。また、そのままでは固い印象や難しい日本語で構成されている文書や規定を、幅広い年齢層や外国人でも読みやすい形に書き換えるボットの要望も多く出ているということだ。
今回は、チャットツール(Microsoft Teams)上で生成AI(ChatGPT)と対話ができ、次のプロジェクトとして、庁内の内部文章を参照させた上で対話ができるQAボットがテスト段階に入っており、同年3月中にICTサポート用チャットボットを庁内で展開する予定だという。なお、現在は生成AIの活用は庁内に限定しているが、区民向けのサービスへの活用可能性も今後検討していく計画としている。

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