楽天モバイルでも始まった「家族割引」。ソフトバンク・ドコモ・KDDIの割引サービスとはどう違う?

2024年3月15日(金)21時15分 All About

楽天モバイルが「最強家族プログラム」を提供し、家族割引施策に力を入れる姿勢を見せています。携帯各社の家族割引施策とは、現在どのようになっているのでしょうか。その内容や対象、条件の違いなどについて説明しましょう。

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楽天モバイルの「最強家族プログラム」とは

月額1078円から利用でき、どれだけデータ通信をしても月額3278円より料金が上がることはないことから、非常にお得な楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」。2024年2月21日から、そのRakuten最強プランに割引サービス「最強家族プログラム」が追加されました。
これはRakuten最強プランを契約している家族で1つのグループを組むことで、グループ全員(最大20人まで)が割引を受けられるというもの。割引額は人数に関係なく110円ですので、Rakuten最強プランを月額968円〜3168円で利用できる計算となります。
Rakuten最強プランは携帯大手の使い放題プランと比べかなり安いことから、同社はこれまで、複雑な割引を適用しなくても安く利用できることを大きな特徴として打ち出してきました。
にもかかわらず、料金の仕組みが複雑になりがちな割引サービスを追加したのはなぜかというと、「家族割引施策はないのか」という消費者の声が多かったからだそうです。
複数の家族でグループを組むと料金が安くなる家族割引施策は、携帯大手3社の料金プランでは一般的なものですが、楽天モバイルにはないので「家族割引施策がない」という理由で選んでもらえないケースも多かったようです。
家族の契約を獲得するためにも、最強家族プログラムを追加するに至ったとのことです。

他の携帯3社の家族割引施策とは?

では実際、他社の家族割引施策にはどのようなものがあり、仕組みにどのような違いがあるのかを改めて確認してみましょう。

NTTドコモの「みんなドコモ割」

NTTドコモは「みんなドコモ割」というサービスを提供しています。これは家族間の国内通話が無料になる「ファミリー割引」のグループを組み、なおかつ条件を満たした回線に対して月額料金が割り引かれるもの。
条件を満たす回線数が2回線の場合月額550円、3回線以上の場合月額1100円が割り引かれます。


ただ実際に割引を受けられるのは、現行のプランでは使い放題の「eximo」(月額4565円〜7315円)のみ。
ですがより料金が安い「irumo」「ahamo」も、割引は受けられないものの回線のカウント対象にはなることから、例えば家族にirumoとahamoの利用者が1人ずついるのであれば、eximoの契約者はみんなドコモ割の恩恵を最大限受けることが可能です。

auの「家族割プラス」

KDDIのメインブランド「au」に向けては「家族割プラス」が提供されています。こちらは家族で割引対象のプランに入っている人がグループを組むことにより、グループの回線数に応じた割引が受けられる仕組み。
割引額は、使い放題プランの「使い放題MAX」(月額7238円)などの場合、2回線で月額550円、3回線以上で月額1100円。
低価格の段階制プラン「スマホミニプラン」(月額3465円〜6215円)でも2回線で割引額が月額220円、3回線以上で月額550円の割引が受けられるのは、他にない特徴といえるでしょう。

ソフトバンクの「新みんな家族割」

ソフトバンクの家族割引施策は「新みんな家族割」で、こちらも対象プランに加入している家族の回線数に応じて月額料金が割り引かれる仕組み。
現行の料金プランでいえば「ペイトク無制限」(月額9625円)などが対象となり、割引額は1人当たり2回線で月額660円、3回線以上で月額1210円と、他のサービスより大きく設定されています。

サブブランドの家族割引

また、家族割引はメインブランドだけでなくサブブランドにも用意されており、KDDIの「UQ mobile」には「家族セット割」、ソフトバンクの「ワイモバイル」には「家族割引サービス」が提供されています。
ただサブブランドの家族割引施策は、「自宅セット割」(UQ mobile)「おうち割 光セット(A)」(ワイモバイル)といった、ブロードバンドサービスや電力サービスの契約に係る割引との併用ができません。

加えてUQ mobileの家族セット割は割引額が月額550円で、月額1100円が割り引かれる自宅セット割と比べ割引額が小さくなっています。
サブブランドでは家族割引施策よりも、ブロードバンドサービスなどの契約に係る割引を適用した方がお得なことが多いので注意が必要です。

グループを組む「家族」の条件に注意

そしていずれのサービスで家族割引施策を適用する場合でも、注意が必要なのが家族の基準です。実は会社やサービスによってグループを組むことのできる家族の基準にかなりの違いがあり、家族のあり方によってはグループを組めない場合があるのです。

ソフトバンク

最も基準が緩いのはソフトバンク(ワイモバイル含む)です。同居していれば家族でなくてもグループを組むことができるので、シェアハウスの住人などでグループを組むことが可能であるほか、同居していなくても家族であることを証明できる書類を提出すればグループを組めるのです。

KDDI

一方で最も基準が厳しいのがKDDIで、au、UQ mobileともにグループを組むには、同一住所に住んでいる家族であることが必須となります(事実婚や同性婚には対応)。
一方で離れて暮らす家族とグループを組むには所定の条件を満たさなければならず、家族割プラスの場合は固定ブロードバンドなどに係る割引「auスマートバリュー」を適用し、なおかつ離れて暮らす家族が50歳以上である必要があります。

NTTドコモ

NTTドコモのファミリー割引はその中間といえ、主回線となる契約者と三親等以内の家族なら離れて暮らしていてもグループを組むことが可能。事実婚や同性パートナーとグループを組むことはできますが、同一住所であっても家族ではない人とグループを組むことはできません。

楽天モバイル

では楽天モバイルの最強家族プログラムはどうなのか?といいますと、条件がやや特殊で、「同じ名字であること」とされています。
同じ名字であれば離れて暮らす赤の他人同士とグループを組めてしまうことから、ある意味では条件が非常に緩いと言えます。
ただ一方で名字が異なる場合、事実婚などには対応できませんし、結婚して名字が変わった人が元の家族とグループを組むこともできないなど、人によっては非常に厳しい条件となってしまっています。

このような条件になったのはサービス提供を急いだ結果、システム面での変更を最小限にとどめたためと考えられますが、多様な家族のスタイルに対応しづらいのは気になる所。
そうした課題は楽天モバイル側も認識しており今後条件の変更を検討しているとのことなので、早期の改善に期待したい所です。
(文:佐野 正弘(携帯電話・スマートフォンガイド))

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