TOPPAN×NICT、自治体向けBPO事業で量子暗号と秘密分散システムの有用性を確認

2024年4月4日(木)14時43分 マイナビニュース

TOPPANデジタルと情報通信研究機構(NICT)は4月4日、TOPPANデジタルの事業所内に量子鍵配送(QKD)装置を設置し、住民情報を想定した高秘匿情報の送受信・保管に関する実証を行い、量子暗号と秘密分散システムの有用性を確認したことを発表した。
同実証は2023年11月〜2024年3月の期間実施されたものであり、実証の一部は、総務省事業「量子暗号通信ネットワークの社会実装加速のための広域テストベッド整備」の成果を活用している。
○実証の概要
今回の実証では、NICTが提供する量子暗号ネットワークテストベッドを、TOPPANグループの自治体向けBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業の1つである「給付金申請の受付業務」の作業環境として想定し、実業務における量子暗号通信技術や秘密分散技術を活用したデータ送受信やバックアップ保管の有用性を確認した。
具体的には、QKD装置を設置したTOPPANデジタル事業所内に自治体、BPO事務局、コールセンターとみなす作業環境を設置することで、NICT本部を経由した量子暗号通信技術によるデータ送受信や秘密分散技術によるデータ保管を実際の業務へ適用した際の有効性や効率性、実用性や信用性などを含む満足性の観点から利用時の品質をISO/IEC25010の品質モデルを参照して評価・検証を実施した。
その結果、個人情報を扱う業務において求められるセキュリティを保ったまま、将来に渡る安全性も確保可能なデータ流通、保管、利活用環境であることを確認。また、このテストベッドの利用拡大に向けて、機能的/非機能的観点からの課題を抽出することもできたという。
自治体向けBPO事業において、量子暗号通信や秘密分散システムの有用性が効率性、実用性、満足性の観点から確認できたことから、両社は実証で得られた知見をもとにテストベッドを改良し、利用拡大と社会実装を推進していくとともに、自治体向けBPO事業への適用を通じて、量子時代においてもセキュリティを保持した安全・安心な行政DXの実現と社会課題解決を目指すとしている。

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