新デザインのタワー型ケースにCore Ultra 9 285KとRTX 5080を搭載! 「G TUNE FZ-I9G80」の実力を検証した
2025年4月10日(木)17時15分 ITmedia PC USER
G TUNE FZ-I9G80は、リブランドされたG TUNEシリーズで初登場となるハイエンドゲーミングデスクトップPCだ。新型のタワーケースにIntelのCore Ultra 9 285K、NVIDIA GeForce RTX 5080を搭載する
本記事で取り上げるタワー型ハイエンドゲーミングデスクトップPC「G TUNE FZ-I9G80」は、リブランド後の第一弾モデルとして発表された製品だ。
冷却性能やビジュアル演出を強化した新型のタワーケースに、IntelのCore Ultra(シリーズ2)の中でも最上位となるCore Ultra 9 285Kと、NVIDIAの最新ハイエンドGPUであるNVIDIA GeForce RTX 5080を搭載するハイパフォーマンスモデルとなっている。
●24コアのCore Ultra 9 285Kを搭載
まずはスペックをチェックしよう。CPUにはCore Ultra 9 285Kを採用する。これはIntelのデスクトップPC向けCore Ultra(シリーズ2)(開発コード名:Arrow Lake)の頂点に君臨する、ウルトラハイエンドCPUだ。
電力効率を重視するために、メモリモジュールもCPUに統合したモバイル向けのCore Ultra(シリーズ2)(開発コード名:Luna Lake)に対し、デスクトップPC向けはパフォーマンス志向の構成で、性能重視のPコア8基を含む24コア24スレッド、最大ブースト周波数5.4GHzという強力なスペックを持つ。
Core Ultra 9 285Kには、GPUコア(Intel Graphics)とNPUコア(Intel AI Boost)も統合されている。AIパフォーマンス(Int8)はそれぞれ8 TOPSと13 TOPSを備えている。別途、グラフィックスカードの搭載を想定しているモデルのため、内蔵GPUとNPUの性能は控え目というわけだ。
●GPUはNVIDIA GeForce RTX 5080
グラフィックスカードには、1月に発表されたばかりのNVIDIA GeForce RTX 5080を搭載する。描画エンジン(CUDA)に新しいBlackwellアーキテクチャを採用すると共に、AIエンジン(Tensorコア)、レイトレーシングユニット(RTコア)、エンコード/デコードエンジンも新世代となり、前世代のNVIDIA GeForce RTX 40シリーズから全面的なパワーアップを果たしているといえるだろう。
●メモリとストレージはBTOメニューでのカスタマイズに対応
メモリはDDR5-5600を32GB(16GB×2)、ストレージもPCI Express 4.0 x4 SSDを2TBと、標準でゲーム用途に十分な容量を確保している。
BTOメニューのカスタマイズでさらに増強することも可能となっており、メモリは最大128GB(32GB×4)、ストレージは、M.2 SSDを最大3基まで、容量にして最大16TB(4TB+4TB+8TB)まで搭載できる。
M.2 SSDについては、PCIe 4.0 x4対応SSDの中でも、特に高性能なWD_BLACK SN850XやSamsung PM9A1をBTOで指定して搭載することも可能になっており、ストレージの性能にこだわりのあるユーザーにも対応できる。
また、本製品は光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブも標準装備している。BTOではBlu-ray Discドライブ(BDXL対応)も選べる。
●所有欲を刺激するビジュアルと、機能性を両立した新型のタワーケース
G TUNE FZ-I9G80のボディーには、リブランドに伴って導入された新型のタワーケースが採用されている。この新型タワー型ケースは、ケースとしての機能性に加えて、ビジュアルにも注力されているのが特徴だ。
前面はメッシュパネルと大胆なスリットデザインのフロントマスクで構成したインパクトのある構造で、スリム光学ドライブ用のスペースとマスクの右肩のロゴプレートがアクセントになっている。
右サイドパネルにはクリアブラックのパネルを採用している。ブランドカラー(レッド)のライティング機能を統合しており、サイドパネル内部のパーツを雰囲気たっぷりにライトアップする。天面部の手前側に配置した前面端子にあるボタンで消灯も可能だ。
ビジュアルだけでなく機能面も秀逸だ。大型ラジエーターの水冷クーラーと大型のグラフィックスカードの搭載を前提に設計されており、ハイエンドパーツを無理なく収納し、効果的に放熱できるクリアランスを確保している。グラフィックスカードに関しては、自重によるゆがみや脱着を防止するサポートバーを用意しており、長期間に渡って安心して利用できるだろう。
空冷ファンは、最大で7基を搭載できる。前面部と天面部、そして底面はほぼ全面的に通気口となっている他、背面部と左サイドパネルにも格子状に通気口を大きく開けるとともに、底面には肉厚のラバーを貼った大型のフットスタンドを搭載し、安定した設置とエアフローをサポートしている。
吸気のメインとなるトップとサイド、排気のメインとなるトップの通気口には取り外し可能なダストフィルターも装備しており、メンテナンスも容易だ。
●2.5GBASE-T対応の有線LANとWi-Fi 6Eの無線LANも標準装備
前面にある端子は、机の下に設置した際に手が届きやすい天面部手前側に配置されている。ロゴプレート付近にはヘッドフォンホルダーも装備するなど、運用時の使い勝手にも配慮している。
また、背面にはThunderbolt 4(最大40Gbps)対応のUSB Type-C端子を2基、USB Standard-A端子を6基装備する。Thunderbolt 4からのディスプレイ出力はCPU内蔵GPUからの出力となる。グラフィックスカードの画面出力端子は、DisplayPortが3基、HDMIを1基搭載する。
通信機能は、一般的な1000BASE-Tの2.5倍の転送速度を持つ高速規格「2.5GBASE-T」対応の有線LANに加えて、Wi-Fi 6E対応の無線LANとBluetooth 5.3を標準で装備している(Intel AX210の通信モジュールで対応)。
●ベンチマークテストでハイレベルなゲーミング体験を実証
ベンチマークテストのスコアをチェックしてみよう。CPU性能をストレートに反映するCINEBENCH 2024(最低実行時間10分)のCPUスコアは2030ptsだった。
Core i9-14900Fを搭載していた「DAIV FX-I9G90」(1885pts)と比べても、順当に進化している。Ryzen 9 9950X搭載の「DAIV FM-A9G90」にはCPUスコアでは及ばなかったが、CPU(シングルコア)では少し勝っている。
3D描画性能をテストする3DMarkでは、NVIDIA GeForce RTX 4090を搭載する「DAIV FM-A9G90」に迫るスコアをマークした。Stable Diffusionを利用して画像生成性能をテストするUL Procyon Benchmark Suites/AI Image Generation BenchmarkでもGeForce RTX 4090搭載のDAIV FM-A9G90に迫っており、NVIDIA GeForce RTX 5080の性能をきっちり引き出していることが伺える。
また、モンスターハンターワイルズベンチマークでも4K解像度、画質ウルトラ、フレーム生成なし、レイトレーシング強の条件で「非常に快適」評価を獲得するなど、最新の描画負荷の高いゲームでも4Kの高画質で快適にプレイできることを実証している。
静音性も十分だ。アイドル時や低負荷時は意識しなければ分からない程度の動作音で、起動時や高負荷時などはファンが回転し、それなりに存在感のある音はするが、爆音とは程遠いマイルドな音だ。
●所有欲を満たせる存在感抜群のゲーミングマシン
今回取り上げたG TUNE FZ-I9G80の直販サイトでの販売価格は、59万4800円だ。ウルトラハイエンドのCPUと最新ハイエンドのGPUの組み合わせを搭載するフラグシップモデルだけに、かなり高価ではあるが、パフォーマンスだけでなく新型タワーケースのビジュアル、冷却性能、長期耐久性やメンテナンス性への配慮など、一般的なデスクトップPCとは一線を画す付加価値を備えるだけに、内容は十分価格に見合う。
なお、G TUNE FZシリーズには、CPUとGPUの組み合わせが異なるバリエーションモデルが他にも存在する。もっとパフォーマンスが欲しいという人も、ここまでのパフォーマンスは不要という人も、予算や目的に合わせて選ぶことができる。
例えば、Core Ultra 7 265KとNVIDIA GeForce RTX 5070 Ti、メモリ32GB、2TB SSDの構成では、49万9800円で購入できる。それぞれBTOでのカスタマイズに対応しており、リアルタイムで価格を確認してそのままオーダーできる。買い得なキャンペーンなどが開催されていることもあるので、本格派のゲーミングPCが欲しい人は一度同社のWebページを訪れてみると良いだろう。