Googleが生成AI向け独自CPU「Google Axion」プロセッサを発表/Intel N100を採用した超小型コンピューティングモジュール「LattePanda Mu」

2024年4月14日(日)6時5分 ITmedia PC USER

Googleが、データセンター向けの独自CPU「Google Axion」を発表した

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 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる——そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、4月7日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
●Googleが生成AI向け独自CPU「Google Axion」プロセッサを発表
 米Googleは4月9日(現地時間)、Google Cloudの年次開発者イベント「Google Cloud Next '24」で、ArmベースのカスタムCPU「Google Axion」を発表した。
 Axionは、データセンター向けに設計された初のカスタムArmベースCPUだ。業界をリードするパフォーマンスとエネルギー効率を提供し、2024年後半にGoogle Cloud の顧客に提供される予定だという。
 Googleは以前から独自のカスタムチップを開発しており、PixelスマートフォンにもSoCとしてGoogle Tensorを搭載している。現在は第3世代だ。これに対してAxionはデータセンター向けのプロセッサとなる。近年の生成AIの利用拡大に伴い、データセンターでも処理能力の問題が顕在化してきている。
 Axionは、現在クラウドで利用可能な最速の汎用(はんよう)Armベースインスタンスよりも性能が最大30%向上している。同等の現行世代x86ベースのインスタンスよりも性能で最大50%、エネルギー効率で最大60%向上しているという。
●Intel N100を採用した超小型コンピューティングモジュール「LattePanda Mu」
 中国LattePandaは4月11日(現地時間)、カスタム設計ソリューション向けの超小型コンピューティングモジュール「LattePanda Mu」を発売した。価格は139米ドル。
 約60(縦)×69.6(横)mmとコンパクトなフォームファクタで、IoT、ロボティクス、デジタルサイネージ、エッジコンピューティングなどで利用することを想定している。CPUにIntel N100を搭載しており、同様の用途で使われるRaspberry Pi 5と比較して、優れたCPUパフォーマンスを発揮するという。
 GPU性能も優れており、複雑な計算タスクや要求の厳しいアプリケーションでもスムーズに動作させられるとしている。
 カスタマイズ性にも優れており、ルーター用のデュアルイーサネットポートボードの作成や、NASソリューション用の SATAインタフェースの提供など、必要な機能に応じてキャリアボードを設計できる。
 PCIe 3.0レーンを最大9レーン備えており、専用グラフィックスカードや高性能NICの接続も可能だ。この他、SATA 3.0を最大2ポート、USB 3.2を最大4ポート利用できる。この他、USB 2.0×8、HDMI出力/DisplayPort出力×3、I2C、UART、GPIOの各端子を搭載する。
 主な仕様として、CPUがIntel N100、メモリは8GB(LPDDR4-4800)、ストレージ64GB(eMMC 5.1)となっている。
●MicrosoftがWindowsの4月度セキュリティ更新プログラムをリリース
 米Microsoftは4月9日(現地時間)、現在サポートしているWindows 11およびWindows 10の全バージョンに対し、月例セキュリティ更新プログラムの配信を開始した。
 Windows 11 23H2/22H2向けは「KB5036893」、Windows 11 21H2向けは「KB5036894」、Windows 10 22H2/21H2向けは「KB5036892」、Windows 10 1809向けは「KB5036896」となる。
 本更新プログラムでは、CVE番号ベースで149件の脆弱(ぜいじゃく)(ぜいじゃく)性に対応した。このうち、深刻度を「Critical(緊急)」と評価しているのは以下の3件だ。
・CVE-2024-21322:Microsoft Defender for IoT のリモートでコードが実行される脆弱性
・CVE-2024-21323:Microsoft Defender for IoT のリモートでコードが実行される脆弱性
・CVE-2024-29053:Microsoft Defender for IoT のリモートでコードが実行される脆弱性
 また、深刻度は「Important(重要)」ながら、下記の1件は悪用の事実が確認されている。
・CVE-2024-26234:プロキシ ドライバ スプーフィングの脆弱性
 できるだけ早くアップデートをした方がいいだろう。
●「Gemini for Google Cloud」を発表 「Gemini 1.5 Pro」のパブリックプレビューも
 米Googleは4月9日(現地時間)、Google Cloudの年次開発者イベント「Google Cloud Next '24」において、「Gemini for Google Cloud」を発表した。また、「Gemini 1.5 Pro」をパブリックプレビューとして180カ国以上で提供開始している。
 Gemini for Google Cloudは、開発者、Google Cloudサービス、アプリケーション向けのAIアシスタントだ。以下の6つのサービスで構成されている。
・Gemini Code Assist:ソフトウェア開発向けで、従来のDuet AIの進化版
・Gemini Cloud Assist:Google Cloudのリソース管理
・Gemini in Security:セキュリティ向け支援機能。セキュリティ関連のイベントデータをチャットを通じて調査できる
・Gemini in BigQuery:データウェアハウスBigQueryで自然言語をサポート。データ分析などを支援する
・Gemini in Looker:ビジネスデータを分析するビジネス インテリジェンス プラットフォームLookerで自然言語による分析に対応
・Gemini in Databases:自然言語によるデータベース管理に対応
 Gemini 1.5 Proは、2カ月前にGoogle AI Studioで公開されていたAIモデルだ。ネイティブ音声理解機能やファイル処理を容易にする新しいファイルAPIなどが含まれる。音声理解機能を利用すると、Google AI Studioにアップロードされた動画の画像と音声の両方を推論できるようになる。対応するAPIは間もなく公開予定という。
●業務向け動画作成ツール「Google Vids」を公開 6月にWorkspace Labsで
 米Googleは4月9日(現地時間)、Google Cloudの年次開発者イベント「Google Cloud Next '24」で、AIを活用した業務用動画作成アプリ「Google Vids」を発表した。6月にWorkspace Labsでリリースする予定だ。
 Google Vidsは、ビデオ、ライティング、制作、編集のアシスタントを全て1つにまとめたもの。スタイルを選択することで、ストックビデオや画像、BGMを組み合わせて、提案されたシーンに沿ったドラフトを作成。独自のナレーションやプリセットのナレーションを追加することもできる。
 ドキュメントやスプレッドシート、スライドなど他のツールと並んで配置され、ブラウザから操作が可能になるようだ。Googleは、誰でも職場で優れたストーリーテラーになるのに役立つ全く新しいアプリだとしている。
●Windows 10の「Sysprep」コマンドが完了しない問題ようやく解決
 米Microsoftは3月26日(現地時間)、Windows 10で発生していた「Sysprep」コマンドが失敗する不具合が解決したと発表した。
 この問題は、2023年11月30日にリリースされたWindows 10 22H2向けの更新プログラム「KB5032278」以降をインストールすると、Microsoft Edgeパッケージのステータスの問題により、Sysprep(システム準備ツール:System Preparation Tool)が完了しないというもの。
 回避策としてPowerShellを利用したパッケージの削除方法が案内されていた。Microsoftによると、この不具合は3月26日にリリースされた非セキュリティプレビュー更新プログラム「KB5035941」以降で解決したという。4月9日(現地時間)にリリースされた4月度の月例更新プログラム「KB5036892」を適用すれば解消される。

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