ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ

2024年4月24日(水)14時5分 ITmedia PC USER

13.3型の有機ELペンタブレット「Wacom Movink 13」

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 4月24日、ワコムがプロクリエイター向けの新デバイス「Wacom Movink 13」を発表した。発売は5月15日で、ワコムストアでの直販価格は11万8800円(税込み、以下同様)になる。
●ワコム初の有機ELペンタブレット登場! 約420gの軽量ボディー
 Wacom Movink 13は、同社としては初の有機EL(OLED)ディスプレイ採用のペンタブレットだ。パネルサイズは13.3型で、解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)、視野角は上下/左右ともに170度、コントラスト比は10万:1、リフレッシュレートは60Hzに対応する。輝度は350ニト、最大表示色は約10億7374万色で、色域はAdobe RGBカバー率が95%、DCI-P3カバー率が100%(ともにCIE 1931)となる。
 付属する「Wacom Pro Pen 3」や10点マルチタッチ操作に対応し、筆圧検知は8192段階、パネル表面にアンチグレアとアンチフィンガープリント処理を施すことで、画面のギラつきや指紋が付くのを防いでいる。
 他にもブルーライト軽減の能力を評価するEye Care Display認証や、Pantone/Pantone Skin Tone認証も取得済みだ。また「Wacom Color Manager」によるハードウェアキャリブレーションも可能となっている。
 ボディーサイズは約319.5(幅)×205.2(奥行き)×4〜6.6(厚さ)mm、重量は約420gとスリムで軽く、同社では2023年に発売した「Wacom One 液晶ペンタブレット 13 touch」に比べて66%薄く、55%軽いとアピールしている。
 対応OSはWindows 10以降(64bit版のみ)、macOS 12以降、Android 8.0以降、最新バージョンのChromeOS対応デバイスとなる。付属品は替え芯ホルダー付きWacom Pro Pen 3、替え芯3本(標準芯×1/フェルト芯×2)、USB Type-Cケーブル(約1m)、クイックスタートガイド、レギュレーションシートとなり、ACアダプターや電源ケーブルは別売だ。
 なお電源供給については、20W以上の電源供給が可能なACアダプター(Wacom One用のACK44914Aなど)の他、15W以上の電源供給可能なPCやデバイスからUSB Type-Cケーブルで接続することで対応するという。
 インタフェースは、ボディーの左右にUSB Type-C端子と電源ボタン兼用のタブレットボタンが用意される。この物理ボタンは長押しすることで電源のオン/オフ、プッシュすることでさまざまなショートカットキー(OSDメニューの呼び出し、タッチ操作のオン/オフなどを含む)を割り当てられる。同社では“新しいスタイルのExpressKey”と呼んでいる。
 電源/タブレットボタンは物理ボタンだけでなく、ベゼル部分にタッチセンサーを備えており、こちらからも操作可能だ。ただし、タッチセンサーはWindows/macOS環境のみで扱える(Android/ChromeOSは非対応)。
●「プロのクリエイターが満足できるデバイスを作りたい」から開発スタート
 Wacom Movink 13の開発にあたり、同社はプロのクリエイターが満足できる、新しい使い方を提案したいというところをスタートに製品の開発を進めたという。片手で持てる軽さで自然な姿勢で製作を続けられることを前提に、さまざまな場所で作業するクリエイターに狙いを定めたそうだ。
 有機ELディスプレイの採用については従来から検討を続けていたが、ようやく自社基準をクリアできるさまざまな条件がでそろったのが大きいという。さらに、日本サムスンの強力なバックアップがあって、ペンとの組み合わせも非常にいい物ができたとアピールした。
 「従来モデルに比べてディスプレイの特性が下がることはなく、ペンの特性も従来以上のレベルを達成できた。視差もこれまでのモデルに比べて最小クラスになっており、液晶ディスプレイの加圧時の表示変化もない。色域もChintiq Proと同等レベルにある」(同社)
 Wacom Movink 13を実際に試したデザイナーの有馬トモユキさんは「まず、軽さに驚いた。13インチくらいがちょうどよく、ノートPCと一緒に持ち歩けるサイズ感がいい。リュックの中に入れても持っていきやすい」とし、Pro Pen 3の書き味は「イラストを作成している際にペンツールで触っている実感が欲しいときがあって、それも十分に満たしてくれるし、視差がないのが本当にいい」と高いテンションで述べた。
 また「いわゆる共同作業時に、相手に入力してもらえそうなのがいいし、オプションのスタンドは“秒”で気に入った。剛性感も高いし、他の目的で使う人が増えそうなくらい」とべた褒めだった。
 Wacom Movink 13については、「特に向いているのはゲームのインタフェースデザインをしている人で、他にもデザイン関連の業務をこなす人もぜひ試してほしい。フルHDでは足りないとは思わないけど、もっと解像度があればいいと思った」と注文も付けた。
●スタンドやスリーブケースなどのオプション品も用意
 同時に複数のオプション製品が発表された。いずれも(USB Type-Cケーブルのみ、Wacom Movink 13と同時発売)、発売は5月下旬の見込みだ。
 折りたたみ式のスタンドである「Wacom Movink Foldable Stand」(1万2980円)、スリーブケースの「Wacom Movink Tablet Sleeve」(7480円)、そして「アクセサリーパック」(2万4200円)だ。このアクセサリーパックは、Wacom Movink Foldable StandとWacom Movink Tablet Sleeve、ペンなどを収納できる「Wacom Rollup Case」の3点セットで、他にもWacom Movink 13に付属するUSB Type-C→L字型USB Type-Cケーブル(1m/ACK45206Z)も2530円で用意される。
 さらに、HDMI/USB Type-A→USB Type-C変換アダプター「Wacom Converter for HDMI」も2024年内発売予定としてアナウンスされた。
●直販のみのWacom Movink 13はどこで触ることができる?
 なお、Wacom Movink 13はリアル店舗では発売されず、ワコムストアや、楽天やAmazonなどのECモール直営店のみの扱いとなる。そのため、実機を試す場所が限定される形になるが、同社では体験会を開く他、新宿マルイ アネックスの3階にある「ワコムブランドストア新宿」で実機の展示および同製品への質問や相談を受け付ける。
 発表日(4月24日)の午後6時からは、YouTube Liveで同製品の開発メンバーを含めて生配信を行う予定だ。YouTubeのチャット、またはコメント機能を使って質問やコメントを投稿することができるので、気になる人はチェックしよう。

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