Windows Server向け2024年4月の更新プログラムに問題発生中

2024年5月14日(火)8時14分 マイナビニュース

Microsoftは2024年4月9日にWindows Server向けのセキュリティ更新プログラムをリリースしたが、この更新プログラムの適用後にNTLM(New Technology LAN Manager)認証トラフィックが大幅に増加する問題が発生しているという。Windows Server 2022のサポートページの「既知の問題」セクションによると、この問題の影響でまれにローカル セキュリティ機関サブシステム サービス(LSASS)がクラッシュし、Windows Serverが再起動する可能性があるとのことだ。
Windows Server 2022 | Microsoft Learn
○問題の影響を受けるバージョン
この問題の影響を受けるのは、2024年4月のセキュリティ更新プログラムを適用したWindows Serverで、具体的には次のバージョンが該当する。
Windows Server 2022 (KB5036909)
Windows Server 2019 (KB5036896)
Windows Server 2016 (KB5036899)
Windows Server 2012 R2 (KB5036960)
Windows Server 2012 (KB5036969)
Windows Server 2008 R2 (KB5036967)
Windows Server 2008 (KB5036932)
NTLM認証は、以前のWindows Serverで標準的に使われていたパスワードハッシュを用いた認証方式。この認証方式にはセキュリティ上の問題が指摘されており、Microsoftは2023年10月に、将来的にWindowsでNTLM認証を廃止する方針を発表している。
Microsoftによると、今回発生した認証トラフィックが増大する問題は、環境内のプライマリ ドメイン コントローラー(PDC)の割合が非常に少なく、NTLMトラフィックが多い環境で特に影響を受けやすいとのこと。
その結果、まれにだが、ドメイン コントローラー(DC)ロールを実行しているWindows ServerでLSASSがクラッシュし、再起動が発生することがあるという。LSASSと、セキュリティポリシーやユーザーログイン、アクセストークンの作成、パスワードの変更などを処理するWindowsサービスである。
Microsoftは現在この問題の解決に取り組んでおり、今後のリリースで更新プログラムを提供する予定となっている。なお、暫定的な回避策は提示されていない。

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