次世代移動通信システム「5G」とは 第121回 海外5G事業をNTTドコモとの合弁事業にかけるNEC、選択は功を奏すか

2024年5月16日(木)11時0分 マイナビニュース

オープンRAN(Radio access network無線アクセスネットワーク)による海外での5G通信設備事業開拓に向け積極的に取り組んできたNECですが、オープンRAN、ひいては5Gの整備に対する機運が想定よりも盛り上がらず、依然苦戦を強いられています。→過去の「次世代移動通信システム『5G』とは」の回はこちらを参照。
状況を打開するためにNECが選んだのはNTTドコモとの合弁で設立した「OREX SAI」ですが、この選択によってNECの海外事業は大きな成果を上げられるでしょうか。
依然苦しいグローバル5G事業、「OREX SAI」に活路
携帯電話基地局などの通信インフラ機器を、特定の企業に依存することなく導入できるようにする「オープンRAN」が、携帯電話業界内で注目されて久しいですが、その立ち上がりは5Gと同じく、想定よりかなり鈍いというのが正直なところ。そして、この立ち上がりの鈍さに苦しんでいるのがNECです。
携帯電話会社向けの通信機器事業がほぼ国内に閉じていたNECは、オープンRANの機運が高まるとともに、海外メーカーに市場を抑えられている国外への開拓へ力を入れるようになり、欧州の携帯電話会社と実証を進めるなどして実績を積んできました。
しかし、オープンRANの商用導入に向けた機運が思うように高まらず苦戦が続いており、オープンRAN事業の軸を無線装置などのハードウェアから、ソフトウェアやサービスに移すなど軌道修正を図っているというのは第94回で触れた通りです。
それから約1年が経過した現在、NECが発表した2023年度通期決算から、オープンRANを主体とした「グローバル5G」事業の状況を確認しますと、2023年度で調整後営業損益が108億円という実績にとどまっています。
赤字幅は減少しているものの、同社が成長領域と位置付ける他の事業が順調に成長しているのと比べると、依然として非常に厳しい状況にあることは間違いないようです。
では、そうした厳しい状況の中にあって、NECグローバル5G事業を成長させる上でどのような取り組みを進めているのかというと、それはNTTドコモとの合弁事業化ということになるでしょう。
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