アリババクラウド、メキシコをはじめ主要市場にアベイラビリティゾーンを設立

2024年5月24日(金)12時6分 マイナビニュース

アリババクラウドは5月23日(仏国現地時間)、パリで開催されたアリババクラウド・グローバル・サミットにおいて、メキシコに初となるリージョンを立ち上げ、今後3年内にマレーシア、フィリピン、タイ、韓国、ドバイなどにデータセンターを新設する計画を発表した。
これらの主要国際市場における投資は、世界の顧客向けにクラウドとAI製品群を強化するとともに、グローバルパートナーシップの拡大や将来のデジタル専門家を養成するためのAI人材の育成を目的として実施するものだという。
○国際的なAI開発のためのModel Studio
Model Studioは、企業や開発者がAIモデルやアプリケーションを開発できるようにするためのジェネレーティブAI開発プラットフォーム。同サービスが近日中にシンガポールのアベイラビリティゾーンを通じて海外の顧客にも提供される予定だ。
Model Studioの利用により、顧客はアリババクラウドのLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)であるQwenファミリーにアクセス可能で、カスタム生成AIアプリケーションの開発を支援する。2024年後半にはモデルの微調整や推論を行うツールとサービスが追加され、より高度でコスト効率の高いAIタスクの開発が見込めるという。
○カスタマー・エクスペリエンスを高めるパートナーシップの強化
アリババクラウドはSAPとの提携を強化し、アジア圏の中小企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)のメリットを享受できるよう、迅速な導入とオンデマンドの拡張機能を備えたワンストップ・エンタープライズ・ソリューションを発表。
SAP Business Oneのビジネス管理機能とアリババクラウドのインフラを統合したこのビジネス管理ソリューションは、ITインフラへの大規模な初期投資を必要とせず、クラウド上で強力かつスケーラブルなERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)システムをアジアの中小企業に提供するとしている。
○アリババクラウドのコンピュートネストテクノロジーを活用したパートナーシップ
アリババクラウドのコンピュートネスト技術を活用して、新しいソリューションはSAP Business Oneサービスとアリババクラウドのシームレスな統合を実現。これにより、SAP Business Oneのパートナーがクラウド上で顧客向けにソリューションを迅速に展開できるようになる。
また、中国で事業を展開する多国籍企業の関心と需要が高まっていることから、アリババクラウドとセールスフォースは中国において「Salesforce on Alibaba Cloud」トレーニングコースを開発する。このコースは多国籍企業向けに設計され、Salesforce CRMプラットフォームと、中国のアリババクラウド上で動作しサポートされている統合およびローカライズされた機能と製品の使用方法と習得に重点を置く。
トレーニングプログラムは「Salesforce on Alibaba Cloud」プラットフォーム上において、管理者の役割を果たすために必要なスキルと能力の習得を目的としてカスタマイズされたオフラインセッションを提供する。
初心者向けに構成されたこのコースは、参加者がSalesforceのエコシステムにスムーズに移行・統合するための能力を向上させ、グローバルな職場環境でのより効果的な相乗効果と連携を促進する。2025年末までに1万人以上の参加者が学習することを目指すという。
○グローバル教育機関とのデジタルトレーニング
アリババクラウドは欧州の大手企業研修プロバイダーであるDemos Groupとの新たな提携も発表。両社はクラウドコンピューティング、データ分析、AIに焦点を当て、Demosの顧客企業の従業員のデジタルコンピテンシーを高めることを目的とするオンラインコースを提供開始する。
また、アリババクラウドは、AI駆動の評価サービスなどエンドユーザーに提供する機能スイートを拡大するために、オックスフォード大学発のディープテックベンチャーであるOxValue.AIと提携している。さらに同社は、英レディング大学、シンガポール社会科学大学、タイのキングモンクット工科大学トンブリ校、マダガスカルのアロヴィー大学、セント・トーマス・モザンビーク大学などと提携し、AI専門家を育成する目的でクラウドコンピューティングとAIのコースを導入する。
○LVMHグループとのパートナーシップ
アリババグループはLVMHグループとのパートナーシップを延長し、同社のクラウドテクノロジーを活用して、中国におけるリテールおよびTmallを利用したオンラインでのAIを活用したイノベーションを通じて、ラグジュアリー体験を展開する。LVMHはアリババ独自のLLMであるQwenやModel Studioなど生成AI機能の統合を開始している。
○シンガポール発のデジタルヘルスAI企業FathomXとのパートナーシップ
シンガポール国立大学発のデジタルヘルスAI企業であるFathomXは、AIを活用した乳がん検出システムをサポートするためにアリババクラウドのインフラを活用したという。このパートナーシップにより、インフラコストは年間27.6%削減したそうだ。
○国際カヌー連盟
アリババクラウドは昨年、国際カヌー連盟(ICF)と戦略的協力を締結して以来、ICFが世界中のイベントの持続可能性を測定し改善する方法を見つける支援をしている。両者が戦略的パートナーシップを拡大する中で、ICFはアリババクラウドのAI駆動のESGソリューションを活用してイベントの環境影響とカーボンフットプリントを削減する可能性を探り、共同での取り組みを促進することを目指す。

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