イオンモバイルのお得度を検証 “大容量を家族でシェア”がお得、ただし損する場合も

2024年5月26日(日)10時5分 ITmedia Mobile

イオンモバイルの料金一覧表

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 イオンモバイルは4月1日から料金プランを改訂しました。200GBまでの大容量プランが選べるようになり、容量をシェアできる回線数の上限も増えました。特に家族でデータ容量をシェアする場合は他社よりお得ですが、逆に損する場合もあるので注意が必要です。今回は改訂されたイオンモバイルの料金プランと、お得になる場合/ならない場合を解説します(料金は全て税込み)。
●イオンモバイルの料金プラン
 まずはイオンモバイルの料金プランを簡単に解説します。イオンモバイルにはメインとなる「さいてきプラン」と、60歳以上のみが契約できて、下りの通信速度が最大500kbpsに制限される「やさしいプラン」の2つがあります。
 メインのさいてきプランは、データ基本料(データ通信のみのプラン料金)に、音声利用料(月額220円)を追加して料金が決まる仕組みです。月のデータ容量は0.5GBから200GBまで選べ、1GBから10GBまでは1GBごとに料金が110円、10GBから100GBまでは10GBごとに550円上がります。合計金額は0.5GBが月額803円、3GBが月額1078円、6GBが月額1408円、20GBが月額1848円です。
 2人以上で容量をシェアする場合は、シェアプランの基本料に加え、シェアする人数に応じて音声利用料やSIMカード利用料が加算されます。例えば6GBを2人でシェアする場合、データプランの基本料金(月額1188円)に音声利用料(月額220円)、シェアプラン基本料(月額330円)、2人目の音声利用料(月額220円)が追加され、2人合計で月額1958円になります。音声3GBプランをそれぞれが契約すると月額2156円なので、シェアプランの方がお得です。
 同じく、家族5人で30GBをシェアする場合は合計で月額4158円です。6GBプランを5人それぞれが契約すると月額7040円なので、月3000円近く安くなります。
 イオンモバイルの料金プランは、設計はしっかり整理されているものの、この説明だと結局自分がいくらになるかは正直分かりにくいです。ただし、イオンモバイルは店舗で契約する人が多いため、ショップスタッフが相談に乗りながら提案するので「それほど悩まれていない」とのことでした。公式サイトでも利用人数とデータ使用量に応じて料金シミュレーションができる仕組みになっているため、こちらで自分の料金を試算するのがよいでしょう。
●大容量を家族でシェアがお得
 イオンモバイルの料金プランで4月1日に改定されたのは、主に以下の4点です。
・中容量帯(30/40/50GB)の値下げ
・60〜200GBの大容量帯のプラン新設
・シェアプランの上限回線数を5→8回線に
・やさしいプランの料金体系変更(0.2GBと1〜10GBが選べるように)
この改定により、中〜大容量のプランを家族でシェアしやすくなりました。そこで今回は、大容量プランを家族でシェアした場合にどれだけお得か検証します。
家族5人で、合計100GBを使う場合
 例として、家族5人で計100GBの容量を使っている場合を考えます。楽天モバイル、ahamo、LINEMO、Y!mobile、mineo、IIJmioと比較しました。
 実際は家族5人のデータ使用量はバラバラだと思いますが、ここでは仮に全員が20GBずつ使う場合で計算します。その場合、イオンモバイルのシェアプランが月額8008円と最も安いです。IIJmioも契約回線間で容量をシェアでき、最大50GBまで選べるので月20GB×5人以外にもさまざまな組み合わせができますが、それよりもイオンモバイルが安くなります。今回の試算以外の組み合わせでも、ほとんどの場合で家族5人がそれぞれ契約するより、イオンモバイルのシェアプランで容量を分け合った方がお得になるでしょう。
 ただし、家族5人のデータ使用量の偏りが大きい場合はイオンモバイルが最安にならない場合もあります。例えば5人のうち4人は月2.5GB(4人合計で月10GB)で、1人だけ月90GB使う場合を考えてみましょう。この場合、イオンモバイルのシェアプラン(100GB)は合計8008円ですが、全員が楽天モバイルなら月額1078円が4人、月額3278円が1人、最強家族プログラムで550円割引されて合計は月額7040円です。さらに、使用量が少ない4人はイオンモバイルのシェアプランで10GBを分け合い、たくさん使う人だけ楽天モバイルにすれば合計は月額6336円になります。データ使用量の偏りが大きい場合は、たくさん使う人をシェアから切り出した方がお得になる場合もあるので注意してください。
5人のうち4人は月2.5GB、1人が月90GBの場合
・イオンモバイルのシェアプラン(100GB):月額8008円
・全員が楽天モバイル:月額7040円
・4人はイオンモバイルのシェアプラン(10GB)、1人は楽天モバイル:月額6336円
家族5人で200GBを使う場合
 同じく、家族5人で合計200GB使う場合も比較します。
 実際は家族5人のデータ使用量はバラバラだと思いますが、5人がそれぞれ40GB使うと仮定すると、それぞれが40GB用のプランを契約するより、イオンモバイルのシェアプラン(200GB)を契約した方がお得です。
 ただし、この場合も家族の誰かが突出してデータをたくさん使う場合は他社の方がお得な場合もあります。例えば家族のうち1人が120GB、残り4人が20GBずつ使う場合、全員が楽天モバイルなら最強家族プログラムを含めて月額3168円が1回線、月額2068円が4回線で合計1万1440円です。120GB使う人は楽天モバイル、20GBずつ使う4人はイオンモバイルのシェアプラン(80GB)にすれば、月額9746円にまで安くできます。
●繰り越しとプラン変更を駆使すればさらにお得に
 3月15日に行われたイオンモバイルの料金プラン改定の記者会見では、1GBと20GBの間でプラン変更を繰り返す人もいる、とのことでした。これはどういうことでしょうか。
 イオンモバイルでは余ったデータ容量は翌月に繰り越されます。他社では、容量の小さいプランに変更すると、変更後のプランの基本容量までしか繰り越されない場合もありますが、イオンモバイルは容量の小さいプランに変更した場合でも、対象の容量が全て繰り越されるのがポイントです。また、翌月は繰り越された容量から先に消費されます。
 例えば月に使うデータ容量が15GBの場合、イオンモバイルでは20GBプランを契約することになります。すると、当月は5GB余って翌月に繰り越され、翌月は10GB繰り越され、翌々月は15GB繰り越されます。そこで1GBプランに変更すると、その翌月は1GBプランの料金で繰り越し容量を含め16GB使えるようになるのです。これにより、4カ月に1回は1GBプランの料金に抑えることができます。
 この方法はイオンモバイルのシェアプランでもできますし、同じ仕組みであれば他社でも可能です。余ったデータ容量が繰り越されるのは翌月まで(翌々月への再繰り越しはなし)なので、小まめにデータ残量を確認し、繰り越し容量がたまってきたらプラン変更して料金を節約しましょう。
●イオンモバイルのメリットと注意点
 ここまで解説した通り、イオンモバイルは大容量プランを家族でシェアするのがお得ですが、他にもメリットがあります。
・イオン内の店舗でサポートが受けられる
・ドコモ回線/au回線が選べる
・通話料金が11円/30秒と安い(オートプレフィクス付与)
 最大のメリットはイオン内に店舗があることでしょう。店舗のスタッフにプランを相談しながら契約できますし、契約後に困ったことがあればすぐに駆け込めます。端末の初期設定やSIMロック解除など、他社では有償のサービスも無料の範囲が広いです。全てのイオンに店舗があるわけではないので、ドコモショップなどと比べると店舗数は少ないですが、近くのイオン内に店舗がある人は安心して契約できます。
 また、国内通話料金が大手キャリアの半額の30秒あたり11円と安いのもメリットです。オートプレフィクス付与に対応しているため、端末に最初からインストールされている通話アプリでかけても半額になります。
 一方、最大の注意点は通信速度です。シムラボでも過去にイオンモバイルの通信速度を計測していましたが、昼12〜13時は1Mbps以下になっていました。ネット情報では最近はそこまでではないようですが、それでも使用に影響が出るか出ないかギリギリのレベルになることがあるようです。最低限の速度は出ているようですが、昼でもしっかり使いたい人はキャリアのサブブランド(Y!mobile、UQ mobile)やオンライン専用プラン(ahamo、LINEMO)の方がオススメです。
 また、1回線のみで契約する場合は他社の方がわずかにお得です。例えばイオンモバイルは音声2GBが月額968円、5GBが1298円ですが、IIJmioなら2GBが850円、5GBが990円です。LINEMOは月3GBが月額990円で通信速度は速いですし、楽天モバイルは月額1078円でRakuten Linkを使えば国内通話が無料でかけ放題です(一部対象外の番号あり)。店舗が必要ならばイオンモバイルもオススメですが、オンラインでも手続きができそうなら他社も検討しましょう。
 以上、イオンモバイルの料金プランとお得な活用方法の解説でした。今回のプラン改定により選べる容量とシェアできる回線数が増えました。特に大容量を家族でシェアすればお得に使えるので、家族で乗り換えを検討中の人はぜひ検討してください。
著者プロフィール
シムラボ
 「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
・Twitter(現X):@simlabo_jp
・サイト:https://www.simlabo.jp

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