日商エレ、丸紅をベースとしたERP「GRANDIT」の商社業務アドオンテンプレート発表

2024年6月5日(水)10時15分 マイナビニュース

日商エレクトロニクスは6月5日、ERPパッケージ「GRANDIT」の商社業務アドオンテンプレートを刷新し、「Natic Trade Master with GRANDIT」を10月1日より販売開始することを発表した。同製品は、総合商社である丸紅に導入したERP「GRANDIT」をベースとして開発された、商社の業務要件に特化したテンプレート。価格は月額80万円から(従業員数100名未満の企業が利用した場合)。
丸紅の成功事例をテンプレート化
アプリケーション事業本部ERP事業部 部長 西本信浩氏は、テンプレートをリリースした背景について、次のように説明した。
「SAPのERPはサポート終了が迫っているが、コスト、技術者の確保が難しい、移行期間が長いといった理由から、リプレースに踏み切れない企業が多い。一方で、丸紅様のようにSAP以外のERPを検討する企業が増えており、その後押しをしたい」
同社は2021年、丸紅グループが22社において「SAP ERP2005(ECC6.0)」から「GRANDIT」に移行することを発表した。同プロジェクトは2027年12月までに段階的にリリースする計画で進められているが、西本氏は「去年10月にカットオーバーしたが、順調にいっている」と語っており、商社に対するERPのノウハウを着々と蓄積している。加えて、日商エレクトロニクスは総合商社である双日の子会社であるため、商社業務に詳しい。
「Natic Trade Master with GRANDIT」は、日商エレクトロニクスがもともと持っていた商社業務に関するノウハウと丸紅のプロジェクトで得た知見が反映されたテンプレートとなっている。
総合商社をはじめ多くの大手商社はSAPのERPを導入しているが、西本氏は「Natic Trade Master with GRANDITは大手商社が求めるレベルの機能を盛り込まれている」と胸を張る。
第1弾は化学品業界向け機能
「Natic Trade Master with GRANDIT」は、商社業務のコア業務と業界対応機能から構成される。商社業務に最適化された機能・設定・ビジネスシナリオを活用することで、短期導入が可能となる。これにより、開発コストとリスクの低減が見込める。
丸紅のプロジェクトで化学品の機能を開発したことから、業界対応機能の第1弾として、化学品業界向け機能をリリースする。丸紅のプロジェクトで機械業界関連の機能開発を行っているから、第2弾は機械業界向け機能が予定されている。
西本氏は、「ユーザーはできるだけ開発をしたくないと考えており、要求にあったものを提供する。総合商社にとって必要な機能は変わらないので、機能を標準化していく」と語っていた。
コンソーシアムによるビジネスモデルが強み
「GRANDIT」の特徴であり強みである点がコンソーシアム方式をとっている点だ。コンソーシアムはGRANDITとコンソーシアムメンバーで運営されている。ビジネスパートナーも含めると、70社がGRANDITビジネスに参加している。
GRANDIT マーケティング室室長 高橋昇氏は、「GRANDITはパートナーに対し、ソースコードを開示している。パートナーはアドオンやテンプレートを開発して販売する権利を持っており、パートナー各社が得意な分野のテンプレートを提供している。こうしたエコシステムの下、GRANDITは支えられている」と説明する。
ERPといえば、SAPをはじめ外資のベンダーの製品が先行している中、GRANDITは日本の商習慣をくみとる形で、開発された。高橋氏は「今ではワークフローを提供しているERPも多いが、初めてワークフローを取り入れたのはGRANDITだと思う」と語っていた。
西本氏がSAPのリプレースが進まない要因の一つに人材不足を挙げていたが、GRANDITはコンソーシアムでリソースを共有する形で、競合製品からのリプレースを進めているという。そのため、GRANDITに精通するエンジニアも決して潤沢なわけではないが、極度に不足しているという状態ではないそうだ。

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