【名医が解説】「キレる老人」にならない、“自律神経の老化”を防ぐ簡単な方法とは?
【名医が解説】「キレる老人」にならない、“自律神経の老化”を防ぐ簡単な方法とは?
写真はイメージです Photo:PIXTA
若い店員の対応にイチャモンをつけたり、子どもの声がうるさいとどなったりと、昨今は「キレる老人」が話題にのぼる。キレやすくなる原因は自律神経の老化だ。そんな自律神経をいつまでも若く保ち、落ち着いた大人になるにはどうすればいいのか。本稿は、小林弘幸著『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』(朝日新書)を一部抜粋・編集したものです。
自律神経の乱れでキレやすくなるキレる→さらに乱れるという悪循環
若い店員に暴言を吐く、駅員に暴力をふるう、ベビーカーがじゃまだといって怒鳴りつける。最近、こうした「キレる老人」の存在が取り沙汰されています。
なぜ、年をとるとキレやすくなるのでしょうか。ここにもまた、自律神経の老化が関係しています。
自律神経が老化すると、ブレーキをかける副交感神経の働きが低下するので、ちょっとした刺激でも交感神経が興奮状態になります。脳に十分な酸素と栄養が行き渡っていないため、感情のコントロールもうまくいきません。
そのため、思わず大声を出したり、手を出したりすることになるのです。
キレることで、自律神経はさらに乱れます。いったん乱れた自律神経は、しばらくもとには戻りません。そのため、ますますキレやすくなる……。まさに、悪循環そのものです。
もし、自分はそうなりたくないと思うなら、次のことを試してみてください。
キレそうになったら、とにかく黙るのです。そして、そのまましゃべらずに6秒間がまんすれば、衝動的にキレることはなくなります。
なぜなら、どんなに頭に血が上っていても、怒りのピークは6秒間しか続かないからです。
人は怒りを覚えると、体内からアドレナリンというホルモンが分泌されます。心拍数や血圧を上げて、体を戦闘モードにするためです。このアドレナリンのピークが6秒と言われているのです。
6秒さえ乗り切れば、体内からアドレナリンが消失していきます。副交感神経が働くようになるので、衝動的な行動をせずにすみます。
でも、6秒たたないうちに、何かをしゃべってしまったらおしまいです。「怒りに火がつく」とよく言いますが、しゃべることでアドレナリンに火がついてしまうからです。
また、相手から言い返されたり、無視されたりしたら、それもアドレナリンに火をつけることになります。
もし、どうしてもがまんできないことなら、6秒たって落ち着いてから冷静に気持ちを伝えるとよいでしょう。
そのときは、いつにも増して「ゆっくり」話すようにしてください。
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