超伝導量子コンピュータを用いた超高性能計算プラットフォームが「第53回 日本産業技術大賞」の最高位「内閣総理大臣賞」を受賞【富士通株式会社、理化学研究所、産業技術総合研究所、情報通信研究機構、国立大学法人大阪大学、日本電信電話株式会社】
Digital PR Platform2024年3月19日(火)14時5分
理化学研究所(理研)、産業技術総合研究所、情報通信研究機構(NICT)、国立大学法人大阪大学、富士通株式会社(富士通)、日本電信電話株式会社(NTT)の共同研究グループが、2023年3月にクラウド公開した国産初号機となる64量子ビット超伝導量子コンピュータの開発ノウハウをベースに、富士通と理研が共同開発するとともに産業界の研究開発における利活用促進のため同年10月に企業向けにクラウド公開した、64量子ビットの超伝導量子コンピュータ国産2号機を用いた超高性能計算プラットフォーム(以下、本プラットフォーム)が、このたび、日刊工業新聞社が主催する「第53回 日本産業技術大賞」において、最高位となる「内閣総理大臣賞」を受賞しました。
「日本産業技術大賞」は、その年に実用化された革新的な大型産業設備・構造物や、先端技術の開発、実用化で顕著な成果を挙げた企業・グループを表彰し、産業界や社会の発展に貢献した成果をたたえるとともに、技術開発を奨励することを目的として1972年に創設されました。産業の高度化およびシステム化技術時代を迎えた今日にふさわしい「総合技術を結集した成果」を表彰の対象とし、今回が53回目となります。
国産初号機は、受賞6機関の共同研究契約の下で、量子計算などの研究開発の推進・発展を目的とした非商用利用を前提に公開したものです。一方、国産2号機は、国産初号機の技術をベースに、2021年に理研と富士通が「理研RQC-富士通連携センター」の設立後実質2年半で、産業界の研究開発用途としたクラウド公開を達成しました。これは国産初号機内で蓄積されてきた日本オリジナルの量子技術が、国産2号機における産業適用の第一歩に耐え得る高いレベルであったことを示しています。とりわけ、理研が提案している超伝導方式の量子ビットチップは、現状のチップデザインを維持したまま1,000量子ビット級まで容易に拡張できるスケーラビリティを有する独自の3次元実装レイアウトを採用していることが特長です。国産2号機は、世界最大級(注1)となる富士通の40量子ビット量子シミュレータと、同一クラウド上で組み合わせたハイブリッド量子コンピューティングプラットフォームとして提供しています。本プラットフォームは、様々な企業とのコラボレーションを見据え、量子コンピュータと量子シミュレータの双方を、クラウド上でシームレスに操作できるスケーラブルなクラウドアーキテクチャを実装しています。
今回の「第53回 日本産業技術大賞」では、技術力(独創性、先進性)の高さや、日本独自の量子技術を基に量子コンピュータの産業化の一歩を踏み出した点、量子コンピューティングと量子シミュレータを組み合わせて共同研究先企業に提供し、材料、金融、創薬など様々な領域で実用的な量子アプリケーションの探索を拡大する試みを進めている点などが高く評価されました。今後、本プラットフォームを活用して量子アプリケーションの研究開発を進め、ハードとソフトの両面から量子コンピュータの実用化を加速していくことが期待されています。
6者は今後もそれぞれの強みを生かして、量子コンピューティングの社会実装を推進してまいります。
<関連リンク>
・2023年10月5日プレスリリース
「超伝導量子コンピュータを開発し、量子シミュレータと連携可能なプラットフォームを提供」
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2023/10/5.html
(富士通URL)
・2023年3月24日プレスリリース
「量子コンピュータを利用できる「量子計算クラウドサービス」開始」
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2023/03/24.html
(富士通URL)
・2021年4月1日プレスリリース
「理化学研究所と富士通、超伝導量子コンピュータの実用化に向けて連携センターを開設」
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/04/1.html
(富士通URL)
●補足説明
(注1)世界最大級:汎用的な量子回路シミュレーション方式であるState Vector方式の常設専用機としては世界最大級(2024年3月現在、富士通調べ)
●研究支援
本研究は、文部科学省 光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)「超伝導量子コンピュータの研究開発」(研究代表者:中村泰信)(Grant No.JPMXS0118068682)による助成を受けて行われました。
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/
Copyright(C)Digital PR Platform All Rights Reserved.
「大学」をもっと詳しく
「大学」のニュース
-
明大・横山陽樹 値千金の六大学初アーチ 作新学院時代は佐々木朗希からフェン直三塁打5月14日17時53分
-
【ホテル椿山荘東京】知的好奇心をくすぐるステイプランで、今年の夏はご家族と特別な体験を 東京理科大学の教授から学ぶ「夏の星空ステイ」ペルセウス座流星群の極大に合わせ期間限定でご提供5月14日17時46分
-
【イベント事後レポート】世界自閉症啓発デー。産官学連携による自閉症啓発メタバースイベントが好評のうちに閉幕5月14日17時46分
-
フェアリー化合物の短段階合成手法の開発5月14日17時46分
-
大阪市平野区で四天王寺大学 社会学部 藤谷 厚生教授が「古代河内の王権と聖徳太子」について6月30日に講演5月14日17時0分
-
パソナグループ・CCHサウンド・奈良県立医科大学 ウェルビーイングな働き方の実現に向けて協業 万博史上初 軟骨伝導を活用した聴覚技術を導入、世界へ発信5月14日16時46分
-
大学生が使うSNS、インスタが9年連続増でXと僅差…東京工科大調べ5月14日16時45分
-
【開催報告】学内外とつながるコミュニティスペース『アカリクラウンジ』奈良先端科学技術大学院大学店にて、地元企業と学生をつなぐ無料企業合同説明会を実施5月14日16時16分
-
「2040年博士号取得者数3倍」に向けた挑戦。次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)採択大学と連携して、博士のキャリア支援を開始5月14日15時46分
-
未来を切り拓くビジネススキル ウェールズ大学MBAプログラム卒業生が明かすキャリアの秘訣5月14日15時16分