警察官の脳天を凶器で…北朝鮮「キレた女性」の暴行現場
北朝鮮当局は、路上や裏道で店を開く露天商「イナゴ商人」に対する取り締まりを行っている。美観上よろしくない、コロナ対策違反だ、資本主義的行為だ、と言った理由を挙げているが、当局にとって決して少なくない税収である、市場管理税(ショバ代)が得られない、というのが一番大きな理由かもしれない。
だが、ショバ代が払えないほど零細なのがイナゴ商人。取り締まりから逃げ惑いつつも、したたかに商売を続ける彼女らは、時に取締官に強く反抗する。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えたのは、核実験場で世界的に有名になった吉州(キルチュ)での一件だ。
事件が起きたのは今月7日のこと。吉州駅周辺で飴を売っていた50代女性のキムさんのところに、コロナ対策を名目にイナゴ商人に対する集中取り締まりを行っている安全員(警察官)がやってきた。
安全員は「優しく言っているうちにさっさと去れ」「商品を没収される前に帰れ」とキムさんに迫ったが、その日の食い扶持を稼がなければならなかったキムさんは、「食べるものがないのに、取り締まりばかりするのは餓死しろということか」と反論し、その場を動こうとしなかった。
キムさんの腕を掴んで引きずろうとした安全員は、キムさんの商売道具である飴を引き伸ばすための板を足で蹴った。キムさんも負けじと、安全員の胸ぐらをつかみ返した。
二人の間でもみ合いとなり、キムさんは安全員の頭部をめがけて板を振り下ろし、メッタ打ちにした。
この手のトラブルは多発しているものの、さすがに「安全員が板で殴られることはめったにない」(情報筋)という。ただ、凶器は使われていないが、昨年10月には女性のイナゴ商人の女性と安全員が乱闘になり、女性30人が刑務所送りになった事件もあった。
安全員に口ごたえするだけならともかく、暴力を振るえばかなりの処罰が避けられない。案の定、キムさんに対しては労働鍛練刑(懲役刑)3ヶ月の判決が下された。
安全員のその後について情報筋は言及していないが、公衆の面前で板で殴られ顔に泥を塗られた腹いせに、より取り締まりを強化する可能性もあれば、イナゴ商人からバカにされて、もはやまともに取り締まりができない可能性もある。
抑圧体制を末端から支える安全員とて、やり方を一つ間違えればどうなるかわからないのだ。
Copyright(C)DailyNKJapan 2014
「凶器」をもっと詳しく
「凶器」のニュース
-
「殺人用の凶器を売るな」治安悪化の北朝鮮で警察が緊張9月13日6時33分
-
こんなん液体凶器やろ... 罰ゲーム扱いされてた「餃子サイダー」に挑戦してみた結果後悔しかない8月21日20時0分
-
これは本当に文房具か? 「趣味:鉛筆の芯削り」の中学生が削った鉛筆がもはや凶器6月23日18時0分
-
警察官の脳天を凶器で…北朝鮮「キレた女性」の暴行現場1月26日6時37分
-
コナンの世界なら凶器になるかも...? 「ビルから落ちた人を串刺し」にしそうなオブジェに反響2月26日17時0分
-
ドイツ震撼『コリーニ事件』凶器から結末を推理したくなる本編映像公開6月10日16時0分
-
北朝鮮、漁船に「凶器搭載」を義務化…日本海で海保に対抗12月26日11時2分
-
続編が決定している『スマホを落としただけなのに』、Blu-ray豪華版に収録の特典映像をチラ見せ4月10日12時0分
-
俳優の佐藤二朗「『生理的に無理』という表現が大嫌い」に賛成の声続出 「全人格否定する凶器」「何がどう無理なのか表現できてない」8月23日13時38分
-
「凶器持ち大乱闘、死人も」過激化する北朝鮮の高校生たち7月27日11時4分