TSMCが米国に第3の半導体工場建設へ、専門家「予想外」―中国メディア
台湾積体電路製造(TSMC)が米国政府から66億ドルの補助金を得てアリゾナ州フェニックスに第3工場を建設することに関連し、中国メディアの参考消息は、専門家が「予想外」と表明したとする記事を掲載した。
半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)は米国政府から66億ドル(約1兆円)の補助金を得てアリゾナ州フェニックスに第3工場を建設する。これに関連し、中国メディアの参考消息は10日、専門家が「予想外」と表明したとする記事を掲載した。
記事はまず、米ウォール・ストリート・ジャーナルの報道を引用し、米当局者によると、TSMCは総額650億ドル以上を投資して2021年に着工した半導体製造複合施設に第3の工場を追加すること、建設中の第2工場では回路線幅が2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の微細な最先端半導体を生産し、第3工場は2ナノやそれ以上に微細な半導体も視野に2030年までに建設することを紹介した。
その上で、台湾メディアの中国時報の9日付報道を引用し、「TSMCが米国以外の国に新工場の建設を発表するのは普通だが、米国に新工場を建設するのは予想外だ。なぜなら、第1工場の建設時に多くの困難に直面し、生産開始時期に影響が及んだ。TSMCが今、このような決定をするとは驚きだ」とする、半導体業界の古参顧問のコメントを紹介した。
また、台湾のシンクタンク、台湾経済研究院産経資料庫の総監で半導体産業に詳しい劉佩真氏のコメントとして、「TSMCの米工場増設計画が、地政学的要因や競合他社の戦略の影響を大きく受けていることは明らかだ。なぜなら、TSMCの日本への投資は順調で、熊本の第1工場と第2工場は補助金を獲得し、日本側は第3工場を設けることも望んでいる。こうした状況が、米国を神経質にさせ、TSMCによる対米投資拡大に大きな期待を寄せるのも必然だ」とも伝えた。(翻訳・編集/柳川)
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