北朝鮮の国営百貨店で米国製ノートPCの販売解禁
韓国製品と並び、北朝鮮では販売と所有が禁止されているのが米国製品だ。不倶戴天の敵、米帝(米帝国主義)の作った製品などを持っていれば、思想性が疑われる。だが、米朝の融和ムードを受けて解禁の兆しが現れつつある。
首都・平壌近郊の流通の拠点、平城(ピョンソン)の国営百貨店で、米国製のノートパソコンが多数売られていると伝えてきたのは、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋だ。
国営の平城百貨店ではかつて、中国製のノートパソコンが売られていたが、それが姿を消し、代わって現れたのが米国製のノートパソコンだという。百貨店の店頭に並べられているのはHPやDellなどの製品、そして、かつてIBMが販売していたThinkpadだ。いずれも貿易会社を通じて中国から密輸されたものだという。
「国営の百貨店が急に米国製品を堂々と売るようになったのは、中央から米国製品の販売が公式に許可されたためだ」(情報筋)
米国製品はこれまで、当局の締まり班「109常務」の摘発対象となっていた。同店は以前から中国で組み立てた米国ブランドのノートパソコンを販売していたが、摘発を恐れて中国製に産地偽装していたという。政府は米朝関係の改善を望んでか、米国製品の販売を全く統制しなくなったとして、情報筋も驚きを隠せずにいる。
ちなみにノートパソコンを所有するには、地域の保衛部(秘密警察)に登録し、証明印が押された証紙を貼らなければならない。それがなければ109常務に没収されてしまう。
別の情報筋は、平城の地域特性について次のように説明した。
「市内には多くの教育機関や平安南道の行政機関があり、高級中学生(高校生)、大学生、行政幹部などの間でノートパソコンへの需要が強い。平城百貨店の支配人は、中朝国境に面した新義州(シニジュ)の商人と連携し、米国製の中古ノートパソコンを取り寄せ、1台300ドル(約3万4000円)で販売している」
国産のノートパソコンも存在するが、ハードディスクの容量が小さく故障が多いため、あまり人気がないという。
一方で、高級幹部、トンジュ(金主、新興富裕層)やその家族は、財力を見せつけるためにアップル社製のMacbookを購入、使用している。ちなみに、Macbookは金正恩党委員長が使用していることで知られている。
かつて北朝鮮には、「ハイテク製品と言えば日本製」という時代があったが、今ではすっかり韓国製、米国製にお株を奪われたようだ。
Copyright(C)DailyNKJapan 2014
「北朝鮮」をもっと詳しく
「北朝鮮」のニュース
-
日中韓「朝鮮半島の完全な非核化目標」…首脳会談の共同宣言原案、北朝鮮の核・ミサイル開発念頭5月25日5時0分
-
「誰も使おうとしない」金正恩の通貨が“紙くず”になる日5月25日4時2分
-
「NO金正恩」示す「Nを刻め」 北朝鮮反体制派がネットに投稿5月24日20時20分
-
北朝鮮、軍事衛星打ち上げ準備の兆候 韓国が指摘5月24日19時40分
-
韓国拉致家族「再会願う」 現場にモニュメント設置5月24日18時32分
-
北朝鮮が軍事偵察衛星の発射準備か…韓国軍関係者「推定される状況確認」、米韓が動向監視5月24日18時27分
-
韓国軍関係者「北朝鮮が偵察衛星打ち上げ準備とみられる状況」5月24日16時26分
-
「お泊りして韓ドラ三昧」だった金正恩のボディガード5月24日13時43分
-
「昼飲みでグデングデン」酔っ払いが足を引っ張る北朝鮮の農業政策5月24日13時35分
-
政府、ロシアへの軍事協力で制裁 北朝鮮11団体1個人の資産凍結5月24日10時49分