北朝鮮当局が「バイク屋」を集中取り締まり
社会主義に反する、あるいは社会主義にそぐわないされる行為を取り締まる北朝鮮の反社会主義・非社会主義連合指揮部(82連合指揮部)。今月9日の建国記念日の前に、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)市内で取り締まりを強化したが、その対象となったのは、どういうわけか「バイク屋」だった。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
82連合指揮部は、人民班長(町内会長)に対して、宿泊検閲を行うと宣言した。これは、住民登録をしていない人が、勝手に家に泊まっていないかをチェックするものだ。ところが、取り締まりに向かったのは、4軒のバイク屋だった。
連合指揮部は、修理のためにバイク屋に預けられたバイクや自転車を一台ずつ確認し、「修理以外の目的」で預けられたものがないかをチェックした。この修理以外の目的とは、質草として預けられたものだ。つまり、バイク屋は質屋も営んでいたということだ。
北朝鮮では、質屋も貸金業も違法だ。それを口実に連合指揮部はバイク屋を摘発し、「高利貸しの役割を行ったことは資本主義の温床」として、質草を有無を言わさずに押収した。
また、2000元(約4万円)以上もするバイク登録証を取得できず、ニセモノを持っている所有者も少なくないが、これに対しても、バイク屋に10日以内に罰金を払わなければバイクを没収すると警告した。
その10日の猶予も、バイク屋が頼み込んでようやく与えられたもので、500ドル(約7万2000円)以上の罰金をどうやって払えばいいのかと頭を抱え込んでいる。しかし、この商売で生きていくしかない彼らは、金策に奔走している。
連合指揮部がバイク屋をターゲットにした理由は「食べる卵が多い」からだ。つまり、儲かるという意味だ。
いずれのバイク屋も、地元当局に登録して一定額の利益を「税金」として納めている。役所は運営費を確保するために、このような形で名義貸しをしているのだ。一見すると◯◯市商業管理所が運営するバイク屋だが、経営者は民間人という「なんちゃって国営企業」である。
バイク屋は、商業管理所に課された国家計画(国のノルマ)を100%達成していることから、連合指揮部は彼らの商売が順調であることを把握しており、ワイロを搾り取るために摘発のターゲットにしたのだ。
そもそも連合指揮部は、業者からワイロで抱き込まれた地元当局が適切な取り締まりができないからと派遣された組織なのだが、時が経つにつれ、地元当局と同様に腐敗が進んでいるのだ。
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