プジョーが加わる2022年WECのエントリーリストが発表。ハイパーカーは6台での争いに
1月12日、WEC世界耐久選手権は3月18日にアメリカ、セブリングで開幕する2022年シーズンの暫定年間エントリーリストを発表した。2012年に現行シリーズが始まって10周年を迎える今年は39台のマシンがグリッドを埋め、その中で最高峰クラスに位置づけられるハイパーカークラスには、トヨタ、グリッケンハウス、アルピーヌ、新規参戦のプジョーの4チームから計6台が参加することがアナウンスされている。
3月のセブリング12時間を皮切りにスパ6時間、ル・マン24時間、モンツァ6時間、富士6時間、バーレーン8時間の全6戦で争われる2022年シーズンのWEC。LMHル・マン・ハイパーカー規定の導入2年目となる新シーズンは、プジョーが新型ハイパーカー『プジョー9X8』を開発し、現行シリーズに初参戦することがトピックのひとつだ。
そのプジョーは、プジョー・トタルエナジーズのチーム名でエントリーを行い、ゼッケンナンバー93番と94番をつけた2台のハイパーカーを走らせる。今回発表されたリストではポール・ディ・レスタとロイック・デュバルの名前のみがドライバー欄に載り、ケビン・マグヌッセンなど他のプジョー・ワークスドライバーたちの割り振りは明らかになっていない。
これを向かい打つ小林可夢偉チーム代表率いるTOYOTA GAZOO Racingは、既報のとおり7号車トヨタGR010ハイブリッドにWECチャンピオンドライバーでル・マンウイナーとなったマイク・コンウェイ、可夢偉、ホセ-マリア・ロペスが搭乗し、8号車はセバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレーの新しいチームメイトとして平川亮が加わった。
グリッケンハウス・レーシングはシングルカー体制となり、2022年は708号車グリッケンハウス007 LMHがフルシーズンを戦う予定だ。ドライバー欄にはオリビエ・プラの名が記載された。2021年に引き続きオレカ製のノンハイブリッドLMP1マシン、36号車アルピーヌA480・ギブソンを走らせるアンドレ・ネグラオの所属チームはアルピーヌ・エルフ・チームへと名称が変更されている。彼らは2024年に開始するLMDhプログララムの準備期間として今シーズンを有効活用する予定だ。
LMP2クラスでは、チーム・ペンスキー、プレマ・オーレン・チーム、ベクター・スポーツ、アルティメットという4つの新しいチームが加わったことで、シリーズ史上最大規模のエントリーを集め、その数は15台を数える。マシンは全チームがオレカ07・ギブソンを使用することになり実質的なワンメイククラスとなっている。
■日本からはD’Station Racingが参戦
そんなLMP2クラスには元F1ドライバーのロバート・クビサやフェリペ・ナッセ、ウィル・スティーブンス、エステバン・グティエレス、セバスチャン・ブルデーといった多くのスタードライバーたちが参加し、名だたる耐久ドライバーたちや女性ドライバー、史上最年少16歳のドライバーとともに激戦を繰り広げることになる。
ハイパーカークラスと同様に、世界選手権のタイトルが掛かるLMGTEプロクラスには、フェラーリのセミワークスであるAFコルセが51号車と僚友52号車フェラーリ488 GTE Evoを送り込む。対するポルシェGTチームは昨年と同じく91号車と92号車ポルシェ911 GT3 Rを投入。2021年はこの両者の一騎打ちとなったが、2022年はアメリカからコルベット・レーシングが参戦し、トミー・ミルナーとニック・タンディがドライブする64号車シボレー・コルベットC8.Rが全戦でフェラーリとポルシェに戦いを挑む。
プロ・アマカテゴリーのLMGTEアマは13台がエントリー。マシンの内訳はフェラーリが5台、ポルシェも5台、アストンマーティンが残りの3台だ。日本からは2021年シーズンに引き続きDステーション・レーシングが777号車アストンマーティン・バンテージAMRを使用して同クラスに挑む。ドライバーは星野敏のみ明らかになっている。
WECのフレデリック・ルキアンCEOは「WECの10周年を祝うのに、グリッド上に記録的な台数を揃えること以上にふさわしいものはあるだろうか」と語った。
「ハイパーカーとLMGTEプロに強力なバトルフィールドがあるだけでなく、LMP2とLMGTEアマも記録的な台数を記録していることは、我々のチャンピオンシップが成長し続けていることを証明している」
「WECの未来は非常に明るく見るい。すべての人にとって、忘れられない1年になることを約束するシーズンがセブリングで始まるのを楽しみにしている」
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