ダカール:ミニ使うX-raid、2015年以来の優勝狙うも一歩届かず。「一定の信頼性は発揮できた」
第41大会となる2019年のダカールラリーにミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリーとミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー、ミニ・オール4レーシングを合わせて計8台のワークスマシンを投入したX-raidは、ホアン・ナニ・ロマ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリー)の総合2位がベストリザルトとなった。
2010年からミニをベースとしたラリーカーでラリーレイドを戦っているX-raid。2016年にはミニ・カントリーマンをベースとした4WDマシンとなるワークス・ラリーを、2017年にはバギータイプのワークス・バギーをダカールに投入してきた。
2019年大会では、最新鋭マシンであるワークス・バギーのドライバーにステファン・ペテランセル、カルロス・サインツ、シリル・デプレの元プジョーワークスドライバーを起用。盤石の体制を敷いた。
また4WDのワークス・ラリーにはダカールで優勝経験のあるナニ・ロマをはじめ、オルランド・テラノバ、ヤジード・アル-ラジ、ボリス・ガラフリックの4名を起用したほか、2017年までチームの第一線で戦ってきたミニ・オール4レーシングをヤコブ・プシュゴイスキーに託して臨んだ。
エースチームとなるワークス・バギー勢は、2018年大会覇者のサインツが競技初日に総合2番手につける好発進をみせたが、競技3日目を走行中、コース上の溝に落ちた際にフロントサスペンションを破損。アシスタント車両の到着を待つ必要があり、総合36番手までポジションを落としてしまう。
サインツは着実に順位を回復し、競技最終日にはステージトップタイムを刻んでみせ、総合13位で2019年大会を終えた。
代わって陣営のペテランセルが総合3番手に浮上したが、競技8日目のステージで砂丘越えをした際の衝撃でコドライバーのデビッド・カステラが背中を負傷。検査のため病院へ向かうこととなり、リタイアを余儀なくされた。
残るデプレはトップ10圏内にとどまり続ける粘りの走りで優勝したナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)とは2時間48分43秒差の総合5位に食い込んだ。
4WD仕様のワークス・ラリー勢はナニ・ロマが競技2日目から全日でトップ5入りする快走で、総合4位。エースチームであるワークス・バギー勢を上回ってみせた。
また総合4位には2017年までワークスチームの第一線を支えてきたミニ・オール4レーシングを駆ったプシュゴイスキーが入ったほか、合計で5台のミニがトップ10入りを果たしている。
■大会終盤にリタイアしたペテランセル「特に浮き沈みの激しいダカールだった」
X-raidのチームマネージャーを務めるスヴェン・クワントは「今回のダカールもタフな戦いでミスをほとんどしなかったドライバーが勝利を掴んだ。ナッサー(アル-アティヤ)を祝福するよ」と大会を総括した。
「また同じく安定して速さを発揮したナニ・ロマもたたえたい。砂と砂丘に立ち向かうことになった今年のダカールも予想どおり厳しい戦いだった」
「何度かテクニカルトラブルに見舞われたが、トップ10に5台のマシンを送り込めたという事実を踏まえれば、我々のミニは一定の信頼性は発揮したと言えるだろう」
コドライバーの負傷で大会リタイアをとなったペテランセルは「今年は特に浮き沈みの激しいダカールだった。それでも期間中、ミニがみせたパフォーマンスとデビッド(カステラ)の働きには感謝している」とコメントしている。
「今回、私は多くのミスを犯してしまい、結果としてかなりの時間をロスしてしまった。どうしてこんなことになったのか理由はわからないが、とにかくタフなダカールだったことは確かだ」
「何はともあれ、デビッドが軽症で済んだことは救いだ。リタイアという結果には落胆しているが、完走できたとしても優勝には到底及ばなかっただろうね」
「結果は残念だが、ポジティブな面に目を向けていきたい。チームの雰囲気は素晴らしかったし、チームメイトのカルロス(サインツ)、シリル(デプレ)ともチームスピリットを発揮できたのだから」
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