フェラーリ499P、2025年までに“ジョーカー”導入か「2024年後半の投入も、不可能ではない」
フェラーリの耐久部門グローバル責任者であるアントネッロ・コレッタは、フェラーリがWEC世界耐久選手権の2025年シーズンに向けて、同社初のいわゆる“EVOジョーカー”を499Pに導入する可能性が高いと示唆した。
コレッタは、フェラーリが昨年のル・マン24時間レースで優勝したクルマに大きな変更を加えずに2年目のプログラムに臨む中、2024シーズンの開幕戦カタールに先立ってこの発言を残している。
コレッタは、早ければ2024年後半にも、ホモロゲーション期間中に許可されている5つのうち最初のジョーカーを使用するオプションがあるものの、それは2025年となるシナリオの方が可能性が高いと述べた。
「現時点では、(使用した)ジョーカーはゼロだ」とコレッタは2024年開幕戦『カタール1812km』の最初のプラクティスに先立って記者団に語った。
「ひとつは、今シーズン後半か、来年に使用するチャンスはある」
「率直に言って、我々は将来何ができるかを研究している。今シーズン後半にジョーカーを投入するかどうかは確かではないが、不可能ではない」
「2025年に向けて、エアロダイナミクスや機械的問題に関して研究を改善することは通常のことなので、我々が何らかのニュースを届けるのは想像ができることだ」
「現時点では検討段階であり、決定したわけではない」
トヨタはこれまでに少なくともひとつのジョーカーを使用した唯一のハイパーカーメーカーであると考えられており、プジョーも2024年第2戦では大幅にアップデートされた9X8を投入し、これに続くものと見られる。
■2025年の4台目導入は「複雑」
今年のWECグリッドにおけるフェラーリの存在感は、ロバート・クビサ/ロバート・シュワルツマン/イーフェイ・イェのAFコルセ83号車、いわゆるカスタマーカーとして3台目のマシン追加されたことにより、増している。
2025年に4台目の499P導入が実現可能かどうかとの質問に対し、コレッタはそれを否定はしなかったものの、現在の台数を維持することが最も可能性の高い結論であると示唆した。
「現時点では、ル・マン・ハイパーカー・ベースはLMDhベースよりも複雑なので、さらに1台を追加することは複雑である」と、今年LMDhのポルシェ963が5台体制へと拡大したという事実に関連し、コレッタは語った。
「現時点では、我々は3台のマシンを維持すると思うが、これはカスタマー・プログラムであり、AFコルセは2025年に3台目のマシンを走らせる可能性を確認する必要があるため、追加、または削減は、あり得ないとは言えない」
「我々フェラーリは、AFコルセが3台目のマシンを引き続き参戦させてくれることを願っている。我々にとって、それはより多くのデータを取得するための重要な基盤だからだ」
コレッタは、ハーツ・チーム・JOTAからAFコルセに移籍した新契約のフェラーリドライバー・イェと、WECルーキーのシュワルツマンの将来の可能性を探るために、83号車は有用な車両だと考えていると付け加えた。
「これは若いドライバーにとって、能力を向上させる良い機会だ」とコレッタ。
「そして将来的には、彼らを実際の(ファクトリー)ラインアップに引き上げることができる。なぜなら、彼らはいずれもフェラーリのドライバーであり、我々は毎年ラインアップを変更する可能性はあるからだ」
しかしコレッタは、フェラーリが今年も既存の6人のドライバーを維持することを選択しており、2025年に向けてワークスのラインアップを変更する可能性を軽視している。
「現在のラインアップが2023年と同じ姿勢で機能するなら、率直に言って何も問題ないと思う」と彼は語った。
「昨年の我々のドライバーたちは、クルマの開発を通じて、非常によく働いてくれた」
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