【角田裕毅F1第2戦分析】互いの理解と反省を経てサウジアラビアへ。ロングランとデータ収集に徹した初日は11番手
失意のF1第1戦バーレーンGPから4日後、サウジアラビアのジェッダに現れた角田裕毅(RB)には、前戦のレース直後のようなピリピリとした緊張感は漂っていなかった。それは、バーレーンでレース後にドライバーとエンジニアたちが集まって、緊急ミーティングを行ったからだ。
「もちろん、ポジションの入れ替えについて話し合いました。通常レース後に行うデブリーフ(レースを技術的に振り返るミーティング)とは別に、ポジションの入れ替えについてそこだけ集中して話し合いをして、お互い理解し合えたので、それが一番よかったことです」
そのミーティングには、今年から新しくチーム代表に就任したローレン・メキース代表も参加した。
「メキースさんはチームが何を考えていたのかを説明し、僕はそれに対する自分の意見を言いました。そのうえで、同じ方向へ向かって一緒に歩み出そうということで意見が一致しました」
角田によれば、ミーティングはお互いが主張をぶつけ合うような激しいものではなかったという。
「特に険悪なムードはなく、メキースさんはチームがやりたかったことを僕に理解してもらおうとしていて、僕は僕でやってしまったと言ったら変ですが、反省すべき点もあるので、それに関しては絶対にこれからはしないつもりだということを説明して、お互い理解し合おうとしていました」
お互いに理解しただけでなく、角田は反省もしている。それはレースでチェッカーフラッグを受けた後、ピットまで戻ってくるインラップで、やや強引にチームメイトのダニエル・リカルドを抜いたことだ。角田は「少しでも早くピットに帰りたくて、8コーナーはロックアップしやすいコーナーだったというだけ」と、チームメイトを危険に晒すような行為を意図的に行ったことは否定したが、「でも、不必要な行為だったと反省しています」と、自らの非を認めた。
ミーティングに参加していたリカルドも、バーレーンGPで起きたことは終わったこと、と水に流している。
「レース終盤に起きたことは、あまりいいものではなかったことは確かだ。でもその2時間後、ミーティングを終えた後の僕たちは、レースが行われた日の朝よりもいい関係となっていたよ」
そのことは、サウジアラビアGPの初日のプログラムにも感じられた。ほかの多くのチームがフリー走行1回目からソフトタイヤを履いて一発のタイムを狙うラップをプログラムに取り込むなか、RBは2台とも硬めのタイヤだけで周回を重ねていた。チームメイト同士で先を競うのではなく、じっくりと落ち着いてレースへ向けたロングランのデータを収集した。
先週チームオーダーに翻弄された角田は、今週はチームプレイに徹している。
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