F1 Topic:ホンダ田辺TD、ホワイティング氏に哀悼の意「バルセロナで話をしたのが昨日のことのよう」
F1レースディレクターを務めたチャーリー・ホワイティングが急逝したのにともない、ホンダはリリースで田辺豊治F1テクニカルディレクターのコメントを木曜日に発表し、それは3月14日のニュース「F1レースディレクター、ホワイティング氏の急逝にホンダF1田辺TD、FIA会長らがコメント」でも報道されている。
訃報から一夜が明け、F1オーストラリアGPが開幕した金曜日に、田辺TDに直接、話をうかがう機会があったのであらためて話を聞いた。
田辺TDはホンダF1の第2期時代からF1の仕事を行っており、1988年からFIAのF1技術部門責任者を務めてきたホワイティングとは旧知の仲だ。
ホンダは1992年に一時、F1活動を撤退。2000年に復帰し、その3年後から田辺TDもジェンソン・バトンのエンジン担当のレースエンジニアとして、再びF1の現場に復帰した。そのとき、ホワイティングはFIA安全委員の代表兼FIAのF1レースディレクターとして、F1界の法の番人であるFIAの大黒柱として活躍していた。
2008年にホンダはF1からの撤退を決断するが、7年後の2015年に復帰。F1は2.4リッターV8自然吸気エンジン時代に幕を下ろし、1.6リッターのハイブリットV6ターボ時代に入っていた。ライバルメーカーに遅れて参戦したホンダをホワイティングは、公平性を保ちつつも、温かく迎え入れ、柔軟な対応を行なっていた。
2018年にホンダF1のテクニカルディレクターに就任して、F1の現場に復帰した田辺TD。2018年のカナダGPではわれわれが取材している最中にホワイティングが通りかかると、取材を中断してホワイティングに歩み寄って、何やら話し込んでいた光景が印象的だった。
その後もホワイティングと何度もミーティングを重ねてきた田辺TD。オーストラリアGPの初日を終えた後、次のようにコメントした。
「ホワイティング氏の存在は、F1界ではすごく大きかった。グランプリで起きるさまざまな出来事に対して、瞬時に判断を下していました。素晴らしい経験と才能をお持ちの方でした」
「彼と最後に直接、話をしたのは今年の2回目のバルセロナテストでした。2021年のパワーユニット・レギュレーションに関して、お話させていただきました。非常に物腰が柔らかい方で、つい昨日のことのように感じていて、今回の突然の訃報に驚いています。心からお悔やみ申し上げたいと思います」
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