坂本龍一の死去に哀悼の声つづく…『ラストエンペラー』『怪物』など映画音楽家としても活躍
2023年4月3日(月)9時30分 シネマカフェ
坂本さんをはじめとするアーティストがエイベックスグループとともに設立したプロジェクト「commmons」のSNSで発表された文面では、「2020年6月に見つかった癌の治療を受けながらも、体調の良い日は自宅内のスタジオで創作活動をつづけ、最期まで音楽と共にある日々でした」と報告。
すでに坂本さん自身の遺志により、葬儀は近親者のみで済ませているそうで、最後は「坂本が好んだ一節をご紹介します」として、「Ars longa,vita brevis. 芸術は長く、人生は短し」とラテン語の言葉が添えられた。
また、坂本さんの公式Twitterでは「January 17 1952 - March 28 2023」の文字と共に、「YMO」のメンバーだった細野晴臣は高橋さんの逝去時と同じく、グレー一色の画像で追悼した。
この訃報に、「サカナクション」の山口一郎は「悲しいです。ご冥福をお祈り致します」とコメント、「BTS」のシュガも「R・I・P SAKAMOTO RYUICHI」の言葉と共に「先生の遠い旅が平安でありますように」と韓国語でSNSに投稿するなど、坂本さんの音楽に影響を受けたミュージシャンが追悼の声を寄せている。
ファンからも「教授、たくさんの音楽と愛をありがとうございます」「空の上からも世界に平和をふらせてください」、今年1月15日に死去した「YMO」の高橋幸宏さんについて触れ「一緒にセッションしてくださいね」との声も。
坂本さんは1978年に細野さん、高橋さんと「YMO」を結成し、「ライディーン」「東風」などヒット曲を連発。「教授」の愛称で親しまれた。ドラマ「ケイゾク」の主題歌「クロニック・ラヴ」など中谷美紀の歌手活動のプロデュースでも知られる。
自身も出演し、デヴィッド・ボウイや北野武らと共演した映画『戦場のメリークリスマス』(83)の音楽で、英国アカデミー賞作曲賞を受賞。『ラストエンペラー』(87)の音楽にも携わり、日本人として初めて米国アカデミー賞作曲賞を受賞。
以降、映画音楽の作曲家としてもハリウッド映画『レヴェナント 蘇えりし者』『MINAMATA—ミナマタ—』から、韓国映画『天命の城』、日本映画『鉄道員(ぽっぽや)』『母と暮せば』などまで多くの話題作を手がけ、6月2日公開の是枝裕和監督、坂元裕二脚本による『怪物』の音楽も担当した。
2014年に中咽頭がん、21年に直腸がんを公表。東日本大震災後は被災地支援や脱原発運動、最近では明治神宮外苑の再開発見直し運動などにも熱心に取り組んでいた。