ヒョンデMSのキム社長がブリーンの急逝に哀悼の意「深い悲しみはクレイグがいかに偉大だったかを物語る」

2023年4月15日(土)5時42分 AUTOSPORT web

 4月13日、現役WRC世界ラリー選手権ドライバーのクレイグ・ブリーンが、クロアチアでのプレイベントテスト中のアクシデントによりこの世を去ったという悲しい報せが世界中を駆け巡った。この翌日、33歳のアイルランド人が所属していたヒョンデ・モータースポーツ社長のショーン・キム氏が声明を発表し、哀悼の意を捧げた。


 2016年にシトロエンでWRCのトップクラスにデビューしたブリーンは、3年後の2019年にヒョンデに移籍。2021年までの3シーズンをパートタイム・ドライバーとして過ごしながら総合2位を3回、同3位表彰台を1度獲得するなど非凡な才能の持ち主であることを証明してみせる。


 2022年はフルタイムシートを求めてMスポーツ・フォードWRT移りイギリスの名門チームでも2度の表彰台を獲得したが、わずか1年で古巣復帰を決意した。今季2023年はダニ・ソルドと3台目の『ヒョンデi20 Nラリー1』をシェアして長いシーズンを戦っていくはずだった。ブリーンは2月に行われた第2戦ラリー・スウェーデンで準優勝を果たしたあと、4月19〜23日に行われる第4戦クロアチア・ラリーで彼にとって今季2度目のラリーをスタートする予定だったのだ。


 明るくユニークで、情熱的なキャラクターで知られるブリーンは多くのラリー関係者やファンから愛された。そんな彼の急逝に際しヒョンデ・モータースポーツ社長のキム氏が声明を発表した。その中で同氏は「クレイグは単なるドライバーではなく、このスポーツを心から愛する人物だった」と振り返り、彼との別れに対して「誰もが深い悲しみを感じている」と語った。


 14日に発表されたキム社長のコメント全文は以下のとおりだ。


「昨日の現実はまだ受け入れられず、この先も長いことそれが続くだろう。アルゼナウ(ドイツ/ヒョンデ・モータースポーツの本拠)の皆はチームメイトであり友人であったクレイグを失ったことを、誰もが深い悲しみとして感じており、この信じられないほど困難な時期を同僚たちと支えあっている」


「私たちのチームにとって、彼はとても大切な存在であり尊敬を集めていた、というのは表面的なことにしか触れいていない。クレイグはラリーに対して深い情熱を持っていた。彼は単なるドライバーではなく、このスポーツを心から愛する人だった」


「クレイグは自分の心を袖にし、多くの人を魅了した。彼は完全にユニークな言葉を使う術を持っていた。クレイグのステージ終わりの言葉はいつもハイライトだった」


「また、クレイグは驚異的なドライバーでもあった。チーム内でも、それ以外のキャリアでもたくさんのハイライトがあったが、(今年の)ラリー・スウェーデンでは、私たちに彼の真骨頂を見せてくれた。彼は最高のパフォーマンスを発揮し、私たちに彼の持つ素晴らしい才能を思い起こさせてくれたんだ。あの表彰台は、我々のチームにとって大きな意味を持つが、彼にとっても非常に大きな意味を持っていたことを見ることができた」


「この深い喪失感をラリー界だけでなく、世界中の人々が感じているのは明らかだ。この一日で多くの人が悲しみに暮れているのは、クレイグという人物がいかに偉大であったかを物語っている。彼はヒョンデ・モータースポーツと、より広いモータースポーツ界に遺産を残した。それは言葉では言い表せないほどだ。親愛なる友人よ、安らかに眠れ」

ヒョンデ・モータースポーツのショーン・キム社長 2022年WRC第10戦ギリシャ
通算9度の表彰台獲得経験を持つクレイグ・ブリーンは、周囲から“WRC初優勝にもっとも近い男”として評価されていた。

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