【角田裕毅F1第3戦分析】「今日はチームがミスなく完璧だった」戦略を完遂、周囲の動きに動じず入賞を果たす
「やっとポイントを獲れたので、そこは素直にうれしいです。今週末はチームがいいクルマを用意してくれたので、フリー走行1回目からコンスタントに走ることができて楽しかったです」
58周のレースを8番目にチェッカーフラッグを受けて走り終え、今シーズン初入賞を果たした角田裕毅(RB)は、そう言って少し笑みをこぼした。
開幕戦ではピットストップ戦略で後手に回り、レース終盤にはチームオーダーを出されて、納得がいかないままポイント圏外でレースを終えた。2戦目のサウジアラビアGPではハースのチーム戦略の前に、自分たちのレースができないまま、またも無得点に終わった。
そして、迎えた第3戦オーストラリアGPは予選8番手。金曜日のフリー走行の結果から、日曜日の決勝レースでは2回ピットストップが予想された。そうなると、ポイントを獲得するためにはスタートでポジションをできるだけ維持し、かつレース戦略でミスをしないことが非常に重要になる。
ところが、スタートで角田はランス・ストロール(アストンマーティン)に先を越された。しかし、角田に焦りはなかった。
「スタート自体は決して悪くなく、逆にアストンマーティンを1台(フェルナンド・アロンソ)を抑えることができたので、特に(ストロールに抜かれたことは)考えずに自分のレースに集中していました」
その後、4周目にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がリタイアして、角田は再び8番手の座を取り戻した。
7周目、角田の背後を走行していたルイス・ハミルトン(メルセデス)が上位陣で最初にピットロードに向かった。角田をアンダーカットして逆転しようとしているのは、明らかだった。
しかし、ここでも角田は動じなかった。
「ハミルトンはレースペースがいいのはわかっていたので、特に焦ることはなかったです」
焦っていなかったのは、角田だけではなかった。チームはハミルトンがピットインした後も角田をステイアウトさせ、9周目にようやくピットインさせた。
これで角田は12番手までポジションを落とすが、角田の前にはまだピットストップしていないドライバーがふたりいた。ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とピエール・ガスリー(アルピーヌ)だ。つまり、この時点で角田とRBは、ポイントを賭けて戦う真の敵はピットインしていないふたりのなかで前を走るヒュルケンベルグとなっていた。
35周目、角田の真後ろの10番手を走行していたヒュルケンベルグが先に2回目のピットストップを行うと、RBも即反応。36周目に角田をピットに呼んだ。
ヒュルケンベルグの前でコースに復帰した角田はその後、追いすがるヒュルケンベルグを寄せ付けず、ファイナルラップで7番手を走行していたジョージ・ラッセル(メルセデス)がクラッシュしたため、8番目にフィニッシュ。さらにそのラッセルのクラッシュの原因を招いたという理由で、6番目にフィニッシュしていたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にレース後に20秒のタイムペナルティが科せられたため、角田の順位はひとつ上がって7位となった。
「今日はチームがミスなく、完璧だったと思います。僕もミスなく、戦略を完了させることができました。順位はどうあれ、自分たちの戦略をやり切るということが今週末の目標だったので、それをやり遂げられたのが一番よかったです」
自分たちの力を信じて戦ったことが、3戦目にポイントを獲得できた最大の理由だった。
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