チーム立て直しを急ぐメルセデスF1代表「現状について常に前向きで楽観的でいると言ったら嘘になる」
メルセデスにとっては悪夢のようなF1オーストラリアGPの週末だったことから、チーム代表のトト・ウォルフは、今後のチームのリーダーシップに疑問を呈する人がいるのはまったく公平なことだと認めた。
ルイス・ハミルトンは週末を通してペースに苦しみ、日曜日のレースではパワーユニットの問題でリタイアしたうえ、ジョージ・ラッセルはレースの最終ラップにクラッシュした。ウォルフは「レース中に自分を殴っている」ように感じたと語った。
「難しい週末を終わらせるには残念なレースだった。ソフトタイヤでスタートするという勇敢な決断を下したルイスは、当初は順調に進んでいたが、残念ながら彼のレースはすぐに終わってしまった」
ウォルフは、パワーユニットは分析のためにブリックスワースに送り返されると明かした。一方ラッセルに関しては、彼のクラッシュはフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)の“危険なドライビング”が原因だった。
「アロンソがそれまでのラップよりも早くブレーキングしたのは明らかだった」
「レースではペースを極端に欠いていた場面もあったし、終盤は順調なときと同等だったこともあった。それでも我々は望む場所にはいない」
全体として、2022年の新レギュレーションの導入以来不振にあるメルセデスにとって、オーストラリアGPは彼らへの打撃にすぎなかった。ハミルトンは2シーズンにわたって未勝利であり、2025年にはフェラーリに移籍する。その間のチームの唯一の勝利は、2022年サンパウロGPでのラッセルの優勝だが、以前の圧倒的な支配とはほど遠いものだった。
「今の自分たちが置かれている状況について誰も前向きに考えていないが、我々はこの状況を好転させることに集中している。難しい試みだが、冷静沈着な姿勢のまま臨むつもりだ」
ウォルフは今年初め、メルセデスとの契約を2026年末まで延長したことを発表したが、自身がチームの運命を復活させるのにもはやふさわしい人物ではないかもしれないと認めた。ウォルフは、厳しいレースが終わった後、メルボルンのアルバートパークのパドックでメディアに対し、「自分の貢献がポジティブなものになるようにする必要がある」と語った。
「『もっといいアイデアがあれば教えほしい』と私が真っ先に言うだろう。できるだけ早くこのチームを立て直すことに関心がある。そして、それが何であるか、あるいは誰であるかについて、喜んで意見を述べるつもりだ」
「私は毎日、自分の行動のすべてについて、鏡に映った自分自身を見ている。マネージャーやトレーナーの質問をすべきだと私が考えるとしたら、それは公平な質問だと思う」
「今の私がやるべきことだとは感じていないが、誰かがこの状況を好転させられるアイデアを持っているのなら、私は喜んで話を聞くだろう。この状況について、いつも前向きで楽観的でいると言ったら嘘になる。ネガティブな考えを乗り越えて、『これを好転させる』と言う必要があるだけだ」
「我々は、このマシンが昨年よりもよくなっていると信じて今シーズンをスタートした。今日は非常に残酷に感じる。今のところ、とてもつらい時間だ。昨年の彼らを振り返ると、(シャルル・)ルクレールはクラッシュし、(カルロス・)サインツは4位だったがペナルティでトップ10圏外に追いやられた。(そして今、)彼らは我々より40秒上回っている」
しかし、マクラーレンのような他のチームは、どんなに深いスランプでもトップに戻る方法があることを示した。
「我々は、うまくやれば物事がすぐに好転することを証明した人たちを目にしてきた。それが我々が目指していることだ」
「我々にあるのは物理学上の問題であって、哲学や組織上の問題ではない。2021年以来、我々はばかげた考え方をしてはいない。ただ、過去に我々が手掛けたマシンの挙動のいくつかを理解していないだけだ」
「一方では、自分の鼻を殴ってやりたい。他方では、物事をうまくやればすぐに状況を好転させ、信じ続けることができるというのも事実だ」
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