【角田裕毅F1バーレーンGP密着】Q1で世界中の注目を集めるも無念のQ2敗退「何が起こったのか正直わからない」
「えーーーー」という長いため息をついた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、F1ドライバーになってからいままで見せたことがないほど、暗い表情でデビュー戦の予選を次のように振り返った。
「不思議な気持ちと、がっかりしている気持ちが混ざっていて、何が起こったのか正直わからないです」
角田がそう思うのも無理はない。
予選Q1、1回目のアタックを全20人中、一番最後に行った角田は、いきなり1分30秒607で2番手につけた。そのタイムはチームメイトのピエール・ガスリーの1分30秒848(Q1の4番手)を上回っただけでなく、現役王者のルイス・ハミルトン(メルセデス)の1分30秒617(同3番手)を100分1秒上回る会心のアタックだった。
それは、バーレーンGPのメディアセンターにいた多くの記者たちが「ツノダ!!」の名前を叫ぶほどの衝撃だった。
「(Q1で履いた)C4はテストのときから本当に良くて」と言う角田は、Q1でいきなりハミルトンより速かったことを尋ねられても「正直、普通だと思っています(笑)。C4は本当にいつも感触が悪くないんです」と語った。
しかし、角田の調子が良かったのはここまで。Q2に入ると状況が一変する。
Q2で角田はチームメイトのガスリーと同様、Q1で履いたC4ではなく、1ランク硬いC3を履いてアタックに出た。バーレーンはリヤタイヤのデグラデーションが大きいため、できれば硬めのタイヤでスタートしたいからだ。
もちろん、それはだれもが同じだが、硬めのタイヤでQ2を突破するのは簡単ではない。しかし、Q1のタイムを見てもわかるように、いまのアルファタウリ・ホンダにはそのスピードがあると、チームも、そして角田も信じていた。
Q2の1回目のアタックで1分31秒327で9番手に終わった角田は、2回目も新品のC3でアタックに出た。しかし、同じC3でアタックしたガスリーが大幅にタイムを更新したのに対して、角田は思ったようにタイムが伸びない。まさかの13番手に終わった。
「Q1はいつもどおり普通にいって、Q2でいきなり……。特に大きなミスをしたわけでもないのに、グリップがなくなって、まったくタイヤを機能させることができなかった。もちろん、C4からC3に変えたのでグリップが失われることはある程度予想していたのですが、でも、その失われる幅が尋常ではなかった。しかもチームメイトからコンマ7秒も離されるなんて……」
通常であれば、Q2で敗退しても、レースに向けてはタイヤが自由に選択できるというメリットがある。しかし、角田はもともとC3をスタートとして選択し、それでQ2を突破しようとしていたから、なおさら、落胆が大きかった。
「C3で突破したかったですよね」と声をかけると、「しょうがないです」とポツリ。そして、最後にまたこう言った。
「いまはとにかく何が起こったのかよくわからないという気持ちです」
レースは日曜日が本番。早く気持ちを切り替えて、デビューレースに臨んでほしい。
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