“教え子”岩佐歩夢のF1日本GP出走に期待する佐藤琢磨「プロのドライバーとしての需要があったということ」
東京・六本木で開催されているF1日本グランプリ公式プロモーションイベント『F1 Tokyo Festival』。4月2日のトークショーに登場した岩佐歩夢が囲み会見を実施。ホンダ・レーシング(HRC)のエグゼクティブアドバイザーを務める佐藤琢磨も同席し、教え子である岩佐への期待を語った。
今週末のF1第4戦日本GPでビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チーム(RB)からFP1へ出走する岩佐。この日行われたトークショーには多くのファンが集まり、彼への期待の高さが伺えた。
トークショー後には囲み会見を行った岩佐。ここには2月からHRCのエグゼクティブアドバイザーも務める佐藤琢磨が同席した。2019年に鈴鹿サーキット・レーシングスクール(ホンダ・レーシングスクール鈴鹿)を主席で卒業した岩佐は、同年にその校長に就任した琢磨にとって初めての教え子だ。
「今回は引率の先生です(笑)」と第一声で場を和ませた琢磨。
岩佐のF1日本GP出走に対して「僕の教え方が良かったのかな(笑)。本当にうれしいですね。こういうことってタイミングもあります。もちろん歩夢は実力があって、19年の時にはそれこそセンセーショナルな生徒だったので、ここまであっという間に来てくれた」
「(日本GP出走は)まさかでしたね。HRCとしてはチームとずっと協議をしていて、ルーキードライバーを乗せなきゃいけないルールなので、どこかで乗るというのは話をしていました。今回、こういう形で鈴鹿で乗せようとチーム側から一気に盛り上がった」
「これまでの歩夢が、F4からF3、F2、この間のアブダビのテストもそうですし、シミュレーター作業で実力を示してきたから、チームから実戦の戦力として使ってもらえる。いわばプロのドライバーとしての需要があったということなので、本当に素晴らしいこと」
「本当は今回の日本GPも歩夢はミルトンキーンズでシミュレーター作業を金曜日に終えてから鈴鹿に来る予定だったんだけど、本当に乗ることになったから100倍いいよね」
「スクールで言えば、いろいろな選手に期待をかけているけれど、本当に素晴らしいモデルケースというか、期待値以上の活躍をして、自らの力で日本GPのFP1を歩夢選手が走るというところに携われて、僕たちも幸せですよ」と語る。
岩佐は先生としての琢磨に対して「いつどんな時でも親身に相談に乗ってくれます。いきなり海外ということもあって、特にF4やF3時代に本当に何もわからない時、すごく寄り添っていただきましたし、自分の中で支えになっていただいている思いはかなり強いです」と振り返る。
岩佐は鈴鹿での走行に対し「鈴鹿サーキットを一周、今まで自分が乗った中でいちばん速いマシンで走るというのが楽しみです」
「興味としてあるのは、スーパーフォーミュラとの違い。スーパーフォーミュラも鈴鹿で走るとすごく速かった。1分35秒で走っていて、S字もすごいスピードで駆け上がっていく。アブダビで乗ったF1とポテンシャルを比較しても高速コーナーで近い部分があると感じていました。それが実際に同じサーキット、同じ季節で走ってどうなるのか、自分の興味のひとつですね」と語る。
F1の大先輩でもある琢磨も「この間の開幕戦、タイムが出る時季にスーパーフォーミュラで走っていて、S字の切り返しの感覚とか相当シャープになっていると思うから、F1のマシンは重さを感じるはず」
「それでも高速コーナーのダウンフォースの量はF1の方が絶対値が上だから、デグナー1個目とかすごそうだよね。怖そう、デグナー2個目気をつけてね(笑)」
「歩夢はもうチームにも溶け込んでいるし、これまでもずっとシミュレーターを通じて作業もやってきて、アブダビでもマシンに乗ってプログラムというものをわかっている。とにかく楽しんでもらいたいですね。アドバイスするまでもなく、彼本人が100パーセント集中してチームのためにプログラムをやる。それこそが自分の評価として跳ね返ってくるということがわかっているので、FP1でトラブルや悪天候さえなければ、あとはもう楽しんでもらいたいですね」と岩佐にエールを送った。
トークショーでも語ったように鈴鹿ではタイムではなく、しっかりとプログラムをこなしたいと語る岩佐。
「FP1がどういうプログラムになるかは、今週末現地に行って詰める予定です。今シーズン、いつ乗ってもいいように準備してきましたし、1回目のタイミングが鈴鹿で驚きましたが、このチャンスをしっかりと活かして、自分のパフォーマンスを示したい。1セッション1時間で得るものはすごく多いと思うので、今後の自分に繋げて成長できるように活かしていきたい」
「今回のトークショーでもたくさんの方々に応援して頂いていることを感じることができました。これがひとつのステップになるので、このステップを踏めることが大きいし、うれしいのですが、さらに上にいけるように頑張りたい」と思いを語ってくれた。
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