ピット作業の課題に悩むキック・ザウバーF1。日本GPでのトラブル再発にボッタスも「がっかり」
バルテリ・ボッタスは2024年F1日本GPで、キック・ザウバーのタイヤ交換の課題によって角田裕毅(RB)と最後のポイントを争う可能性を失った。同じラップで2回目のピットストップを行ったRB、ハース、アストンマーティンのドライバー全員は、それをチャンスとしてボッタスを追い抜いていった。
ボッタスは1回目のスタートで2台のRBを抜いて11番手に浮上したが、レースは1周目に起きたクラッシュによって赤旗が掲示。2回目のスタートでは新品のソフトタイヤに履き替えて臨んだものの、リスタート後すぐに角田とエステバン・オコン(アルピーヌ)にポジションを奪われ、アンチストールを起こしたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)にも阻まれて、早い段階で12番手に下がってしまった。
リスタート後、ボッタスはオコンをオーバーテイク。その間、前を行く角田はライバルを抑えるなかで勢いを失ってしまったため、チームはボッタスをピットに呼び戻してまずまずのストップを行い、ボッタスは電光石火のアウトラップで角田をアンダーカットに成功した。この時点では、現実的に10位争いができるドライバーたちの前を走っていた。
キック・ザウバーは、ライバルたちが自分たちの無線に耳を傾けていることに気づいていたので、ピットインのコールをできるだけ遅らせたが、ボッタスがピットレーンに入るとすぐにライバルの角田、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)、ストロールも続いた。
しかし2回目のピットストップは1回目よりも1.1秒遅く、ボッタスは立ち往生したままとなってRBとアストンマーティンに抜かれ、ポイントを獲得するチャンスはその場で終わってしまった。
ボッタスはレース後に、「ポイント圏内を走っていたのでがっかりしている」と悔しさをにじませた。
「2回目のピットストップで僕たちは終わってしまった。ピット作業でちょっとした問題があり、すべてのライバルに後れをとってしまった。僕たちがピットストップでまだ100%の力を出せていないことは誰もが知っている。残念ながらまた問題が起こり、集団の最後尾になってしまった」
「とくに今回はハースがストレートでとても速そうだったし、このコースはオーバーテイクが簡単ではない。結果が示しているよりもずっとよいペースがあったと思うので、残念だ」
ボッタスは、「マシンのペースが上がったことはポジティブなこと」と鈴鹿での収穫も口にしたが、ピットストップの問題のせいで入賞を逃したのは4戦で2回目のことであり、彼が失望しているのは明らかだ。
一方、レースエンジニアリング責任者であるセビ・プホラルは「今回の我々のピットストップには満足できた部分もあった」と異なる意見を述べている。
「一部のライバルがさらに速いピットストップを行っているのは分かっているが、我々にとってはまだ改善中のことだ。今日は大きな進歩を遂げたし、アクシデントもなく信頼できるものだったと言える。我々がこれまでに抱えていたすべての問題を考えると、ピットストップは信頼性も高く一貫性を保つことができていた。そのことはポジティブに捉えられるだろう」
角田裕毅をはじめとするライバルがピットストップからさらなるチャンスを得て、それを最大限に活かしたことを認めたプホラルは、今後に向けた自信を示して日本GPを締めくくった。
「ここでは前よりも良いパフォーマンスを見せることができたうえに、次のレースではさらに多くのパーツを投入する。近い未来、自分たちがすぐにチャンスをつかめるよう願っている。そのためにチームとしてはピットストップを改善し、マシン開発も続ける必要があるのだ」
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